トランプ政権発足で中国経済はさらに窮地に―独メディア

Record China    2024年11月14日(木) 8時0分

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12日、独ドイチェ・ヴェレは、米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことについて、ドイツメディアから「中国経済はより厳しくなる」との見方が出ていることを報じた。

2024年11月12日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことについて、ドイツメディアから「中国経済はより厳しくなる」との見方が出ていることを報じた。

記事は、ドイツの週刊誌デア・シュピーゲルの11日付文章を引用。同誌は中国財政部が8日に発表した10兆元(約210兆円)の資金投入が消費の刺激ではなく、地方の債務問題を低減するために用いられることが明らかになったとした。

そして、現在の中国では本来地方政府が背負うべき債務を国有企業の地方政府融資プラットフォームが肩代わりしている状況にあり、これらの負債が「隠れ債務」と呼ばれていること、10兆元の資金が「地方への財政支援」として「隠れ債務」を地方政府債務に置き換えるために用いることを説明する一方、国際通貨基金(IMF)のデータによると昨年時点での「隠れ債務」は8兆3000億ドル(約1280兆円)に上っているとして「これだけの支援で足りるのか」と疑問を投げ掛けた。

また、「隠れ債務」が膨れ上がった背景として、中国各地で積極的に行われた空港や高速道路、高速鉄道、高層マンションの建築が全て借金によって賄われていた点を指摘。「個人所得税が国内総生産(GDP)の10%を占める米国に対し、中国はわずか1%。不動産を売ることが地方政府の重要な収入源だったが、不動産業界の冷え込みによって資金調達が途絶え、多くの地方政府が債務を抱えることになった」とし、そのしわ寄せとして北部の多くの地域で集中暖房がストップしたり、医療保険の支給額が削減されたりする事態になっていると伝えた。

記事はその上で、米国の経済学者ビクター・シー氏が「10兆元の資金投入は帳簿上での操作に過ぎず、実体経済へのメリットは何もない」と指摘したことを紹介するとともに、トランプ氏が大統領選期間中に中国製品に対し60%の輸入関税を課す姿勢を示したことに言及。「もしこれが現実となれば、中国のGDPは数ポイント下落する可能性がある」とし、第2次トランプ政権によってますます厳しい状況に追い込まれかねない中国経済の回復には「かつてほどお金を使いたがらない中国国民の消費を喚起する内需刺激」が必須であるとの見方を示している。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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