江蘇省の事件に激震、専門家「社会のガス抜きメカニズムが必要」―シンガポールメディア

Record China    2024年11月19日(火) 18時0分

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18日、シンガポールメディア・聯合早報は、江蘇省の専門学校で発生した殺傷事件に関連して、専門家が社会のガス抜きメカニズム構築が急務との見方を示したことを報じた。写真は無錫工芸技術学院。

2024年11月18日、シンガポールメディア・聯合早報は、江蘇省の専門学校で発生した殺傷事件に関連して、専門家が社会のガス抜きメカニズム構築が急務との見方を示したことを報じた。

記事は、江蘇省宜興市にある無錫工芸職業技術学院で16日に、刃物による切りつけ事件が起きて8人が死亡、17人が負傷したと紹介。現地警察の話として、容疑者はこの学校出身の21歳の男で、試験に落ちて卒業証書がもらえず、実習の給料にも不満があったことを動機に挙げていると伝えた。

そして、中国では今年に入ってから刃物による切りつけ、車の暴走による死傷事件が少なくとも10件発生し、そのうち6件はここ3か月の間に起きていると指摘。中国の指導部が事件の教訓を生かし危険源の予防と管理を強化するよう指示を出すと、各地方では「四無五失」(四無は「配偶者、子女、仕事または安定的な収入、不動産などの資産がない」、五失は「投資の失敗、生活への失意、関係の調和喪失、心理失調、精神異常」を指す)層の調査を始めたとした。

その上で、広東省広州市にある心理カウンセリングセンターの専門家が「ある出来事に刺激され、それを内面で処理できない場合、人は悪意のある極端な方法で自己表現を行う。今の当局のやり方は『問題を抱える人を見つけ出す』ことだが、すべての心理問題を監視することは不可能。知識の普及とサービスの提供を前面に出し、文化建設を通じて社会の強靭さを高めることが必要だ」との見方を示したと伝えている。

また、台湾在住の時事評論家・徐全(シュ・チュアン)氏が江蘇省での事件について「就職や社会での生存に関わる卒業証書の扱いをめぐり、大学側の対応が不十分だったことが悲劇につながった可能性がある」と指摘した上で、経済が低迷し、社会階層が固定化する中、一部の若者は社会で自分の居場所を見つけにくく、社会に不公平感を抱く可能性があるとの見方を示したと紹介した。

記事は、江西省万安県で今月、短大卒の女性3人が郷鎮の幹部に任命されたことで、世論で「裏口」の疑念が巻き起こったことに言及。「公務員試験の競争がますます激化する中、中国の若い世代が公平性に関心を持っていることの表れ」と指摘した上で、徐氏が「若い世代による公平性追求の高まりの中で、多くの人は自身の利益が損なわれた時に非常に直接的な反応を示すだろう。当局は社会的な圧力緩和に向けて封じ込めのアプローチを取っているが、社会に正常かつ健全なガス抜きのメカニズムが欠如し、利益を訴求するメカニズムが封鎖されたままであれば、過激な事件が起こる可能性は高い」と論じたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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