トランプ氏が大統領に就任したら台湾の運命は―独メディア

Record China    2024年11月21日(木) 7時0分

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18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任後の台湾情勢についてドイツメディアが論じた内容を報じた。

2024年11月18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任後の台湾情勢についてドイツメディアが論じた内容を報じた。

記事によると、独紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングは、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席がペルーで開催されたAPEC会議でバイデン大統領と会談し、バイデン政権の4年間で米中関係は浮き沈みを経験したが、全体的には安定していると述べたと紹介。中国にとって理想的な状況は、米中関係がこのまま維持されることであるものの、トランプ次期政権の陣容が固まりつつある中で外交担当メンバーはいずれも対中強硬論者であること、トランプ氏が中国製品に対し高い関税をかける方針を明言していることから、現状を維持することは難しいとの見方を示した。

一方で「強権的なイメージを演出するトランプ氏にも『戦争を望まない』という弱点があり、この点が習近平氏にとって有利に働く可能性がある」と指摘。米国を中国などの核保有国との軍事衝突に巻き込みたくないトランプ氏は、現在習氏が台湾問題で米国に対して引いている『レッドライン』を米国の軍事作戦の境界線とする可能性があると論じた。

また、デュッセルドルフの週刊誌「ヴィルトシャフツヴォヘ」は台湾在住のドイツ人中国学者ステファン・トーメ氏の寄稿文を掲載。トーメ氏が「中国は軍事的に台湾を直接攻撃せず、グレーな方法を用いて台湾を徐々に浸食していく可能性が高い。台湾を完全に封鎖する必要はなく、海警当局が台湾海峡の貿易船に時折妨害工作を行うだけで、台湾に大きな圧力をかけられる。また、軍艦や軍用機に台湾海峡の中央線をしばしば越えさせたり、ピンポイントな制裁措置やサイバー攻撃といった手段で大きな混乱を引き起こすこともできるのだ」と論じたことを伝えた。

トーメ氏また、中国による戦略で大いに警戒すべき点は「それが小刻みに実施されることだ」と指摘。中国は一見些細な変化の積み重ねによって中国は「常態化」を実現し、気がついた時には質的な変化が起こっているという事態になりかねないとし、その例として長年にわたって非公式の境界線として使用されてきた台湾海峡の中心線がこの2~3年で中国に徐々に浸食されつつあることを挙げた。そして「今後数年間、中国がこの戦略を採用する可能性はますます高まり、台湾の同盟国の状況はますます厳しくなるだろう。中国の小刻みな一歩一歩は、米国が様子見を続けること、断固たる行動に出ることのコストを大幅に増大させることにもなる」と論じている。

トーメ氏はその上で「この戦略に対抗する唯一の方法は、米国が可能な限り多くの国々を結集して中国を封じ込めることだが、トランプ氏にはそのつもりはなく、同盟関係の弱体化という1期目の政策を継続するだろう。他方、欧州は大きな戦略的自主性を求められることになり、このような状況は中国が長年望んできた展開でもある。習氏は今後、西側の結束がどれほど麻痺しているか、その結果として中国にどれだけ新たな行動の余地が与えられるかを試す可能性が高い」とした。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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