上海市で5～10日に開催された第7回中国国際輸入博覧会（輸入博）の会場では、「かわいい！」「どうやって手に入れたの？」「30分並んだけど、買いたい縫いぐるみを買えなかった」といったやりとりがあちこちで聞かれた。話題となっていたのは、最近ネットでしばしば検索のトレンド入りをしている中国式ハンバーガー「肉夾饃」をモチーフにデザインされた縫いぐるみ「絨饃饃」だ。7月中旬に発売されてから、すでに25万個近く売れたという。

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発売元の「大相文博」の劉子斉（チウ・ズーチー）創始者兼最高経営責任者（CEO）は、「『絨饃饃』を買いに来る人はとても多い上、ほぼ全ての年齢層をカバーしている。オンラインプラットフォームでもよく売れており、輸入博では、1日当たり600～1000個売れた。1度に2～3個買う人もたくさんいた」とホクホク顔だ。

人気を集めている縫いぐるみは、実は「絨饃饃」だけではない。最近、中国各地の博物館や文化クリエーティブグッズブランドが地域の特色を生かした縫いぐるみを打ち出しているほか、縫いぐるみを購入することでまるで「ままごと」をしているような気分を味わうことができる販売スタイルを採用している店もある。甘粛省の天水麻辣燙（マーラータン、ピリ辛風味の煮込み料理）をモチーフにした縫いぐるみを例にすると、オンライン予約が始まってから1週間以内に約20万人が争奪戦を繰り広げ、店舗の取引件数が前年同期比で343％増と激増した。

では、なぜ縫いぐるみがこれほどの人気になっているのだろうか？取材すると、「癒し」がそのキーワードであることが分かった。

また、上海交通大学媒体・伝播学院の徐剣（シュー・ジエン）副院長は、「中国の若い世代の消費者の台頭が、縫いぐるみが相次いで人気を集める理由の一つとなっている。こうした若者にとって、縫いぐるみには子供の頃の思い出が詰まっている。若者は大人になってからも、縫いぐるみを幼稚な子供のおもちゃとは考えず、大人の日常的な文化消費と見なしている」との見方を示した。

さらに、中年・高齢者の間でも縫いぐるみ人気が高まりを見せている。あるショップの店員によると、「中年・高齢の消費者は縫いぐるみの見た目のほか、材質も重視している」という。多くの縫いぐるみはマタニティー・ベビー用品級の材質で作られており、品質も優れているため、プレゼントにも適している。また、ペットのおもちゃとして買う人も少なくないという。同店員は「縫うぐるみをコレクションし、お気に入りの商品があれば、全色をそろえる客もいる。こうした客の年齢は40～50代で、経済的により余裕があるからだ」と話した。（提供/人民網日本語版・編集/KN）