2024年11月20日、中国メディアの環球時報によると、米CNBCが18日、「中国企業が女性モバイルゲーマーの潜在力に気付く」との記事を掲載した。

CNBCの記事によると、中国の大手ゲーム企業である騰訊（テンセント）は、同社のゲームであり、6月からは米国などでも配信が開始されている「王者栄耀」が、世界中でより多くの女性ゲーマーを引き付けることを見込んでいるという。

同記事は、同ゲームがすでに中国国内で注目を集めているとした上で、「16日に開催されたプロリーグ決勝戦には、3万人を超えるファンが北京市の会場である工人体育館に詰め掛け、2200万元（約4億4000万円）の賞金を賭けた試合を見守った」と紹介。「特筆すべきは、観客の中に多くの若い女性の姿が見られたことである。これは、モバイルゲームへの関心を持つユーザーが、かつて据え置きゲーム機の時代に主要ユーザーであった男性ゲーマーに限られなくなっていることを反映している」と評した。

その上で、女性ゲーマーの増加の大きな要因は、ゲーム機などを購入せずとも、スマートフォンだけでゲームを楽しめることだと分析。テンセントのゲーム部門のeスポーツ責任者が、「女性ゲーマーの約半数がモバイルプラットフォームでゲームをプレーしている。我々は女性ゲーマーを非常にポテンシャルのあるターゲットとして見ている」と述べたことを紹介した。

中国のゲーム産業に詳しいマルチメディア系コンサル企業Niko Partnersの中国エリア責任者によると、中国の女性ゲーマーにとって「王者栄耀」のようなマルチプレーのゲームは、パズルゲームに次いで人気のあるジャンルとなっている。同社の分析では、女性ゲーマーの95％がモバイルゲームを好むことが分かった。特に主要マーケットの一つである東南アジア市場では、女性ゲーマーの増加率が男性ゲーマーの2～3倍となっているという。

米調査会社Sensor Towerのシニアバイスプレジデントであるチラグ・アンブワニ氏は、「新型コロナウイルス感染拡大中に非常に多くの女性がゲームをプレーし始め、その参加度合いは着実に高まってきている」と指摘し、女性がモバイルゲームを好む理由として、ゲームの内容がより洗練されてきているのに加え、ゲームそのものにアクセスしやすくなった点を挙げている。（編集・翻訳/奈良）