CRI online 2024年11月24日(日) 5時0分
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中国人研究者らが火星での太陽高エネルギー粒子のエネルギー分布を完全構築しました。
中国科学院によると、中国科学技術大学および中国科学院近代物理研究所、蘭州宇宙技術物理研究所、ドイツのクリスティアン・アルブレヒト大学キールの研究者は高エネルギー粒子と放射線探査のデータを火星周辺空間中の粒子輸送(伝播)のシミュレーションと組み合わせて、火星周辺空間における太陽高エネルギー粒子(SEP)現象での完全な陽子エネルギースペクトル(エネルギー分布状態)を初めて構築しました。この研究は火星周辺空間の放射線環境の観測に重要な意義を持ちます。関連成果はこのほど、米国地球物理学連合の論文誌である『ジオフィジカル・リサーチ・レターズ(地球物理学知識)』で発表されました。
太陽高エネルギー粒子現象は、太陽の爆発活動によって発生する最も破壊性がある宇宙気象現象の一つであり、宇宙の高エネルギー荷電粒子が突然に増えるので軌道上の宇宙船と宇宙飛行士の安全に大きな脅威をもたらす可能性があります。火星は地球とは異なり、磁場による保護がなく大気が薄いため、その表面は高エネルギー粒子と火星の大気中で生成される二次粒子の影響を受けやすく、太陽高エネルギー粒子現象が火星に与える影響を研究することは、将来の火星探査での放射線防護に大きくかかわります。
研究チームは自らが構築した完全なエネルギースペクトルを利用して、今回の現象が火星軌道と火星表面にもたらした放射線量を算出しました。得られた結果は軌道と火星表面の実際の測定値と一致しました。この結果により天問1号のエネルギー粒子分析装置のデータの信頼性と火星放射輸送モデルの正確性が実証されました。この研究は火星の宇宙放射線環境に対する理解を深め、将来の類似現象の研究に参考を提供するとともに、火星での連続的でさまざまな機関が協力しての放射線観測が必要であることを示しました。(提供/CRI)
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