人民網日本語版 2024年11月26日(火) 22時30分
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中国の若者にとって、写真撮影、スタンプ集め、クリーイティブグッズ購入が「都市巡り3点セット」になっている。
それを手に入れるために、毎朝6時から長い行列に並ぶ人もいれば、遠くからわざわざやって来る人もいる。中古品の価格が高騰し、いまだに品薄状態が続いている。最近、北京にある中国国家博物館が収蔵する明時代の孝端顕皇后の鳳凰の形の冠をモチーフにデザインしたマグネットを発売すると、大変な人気商品になり入手が困難になった。今の若者にとって、写真撮影、スタンプ集め、クリーイティブグッズ購入が「都市巡り3点セット」になっており、グッズを買うためだけにその都市を訪れる人さえいる。では、若者が小さなマグネットに夢中になるのはなぜなのだろうか。
博物館クリーイティブグッズのラインナップに先ごろ新たに加わった話題の商品「国博鳳冠マグネット」は、発売から3カ月で8万個近くを売り上げた。同じシリーズのバッジ、しおり、キーホルダーなどの売上総額は1000万元(約2億1000万円)を超えた。
マグネットはかつては景勝地のおみやげとして目を引く存在ではなかった。それが今や、若者世代の文化消費意欲の高まりと各地の博物館の主体的なクリエーティビティ追求の動きに伴い、小さなマグネット市場にわれもわれもと進出するようになっている。北京古代建築博物館の天宮藻井(天井の装飾)をモチーフにしたマグネットは五つの層に外すことができ、天壇の二十四節気マグネットは雪が降っている情景を再現している。ネットユーザーの中にはマグネットを組み合わせるという新しい楽しみ方を見いだした人もおり、三星堆の青銅の仮面のマグネットに鳳冠のマグネットをかぶせるなどして楽しんでいる。
情報プラットフォームの智研諮詢が発表した報告によると、2023年中国クリエーティブグッズ市場の規模は前年比13.09%増の163億8000万ドルに達した。
博物館のグッズは現在すでに成熟した開発モデルを確立している。それは一定の周期に基づき、独自開発、共同開発、販売委託、調達、ライセンス付与などの方法で開発プロジェクトを進め、グッズに適した生産工場や手工芸技術を持つ職人を見つけて生産を行い、最終的に博物館のオフラインとオンラインの店舗といったルートで販売するというものだ。
博物館はどのようにして多くの収蔵品の中から一つを選び、そのモチーフを使用したグッズを打ち出すのか。
北京古代建築博物館の薛倹(シュエ・ジエン)館長は、「クリエーティブグッズの開発は博物館の収蔵品と結びづける必要がある。なぜならこれらのグッズは、その収蔵品の第2の展示ホールへ誘うようなものであり、グッズがその文化を伝える役割を担っているからだ。人々は博物館で収蔵品を鑑賞するプロセスを楽しめるだけでなく、購入したグッズを見て、収蔵品の文化的な意義や背後にある物語を振り返ることができる」と説明した。
地域の特色を活かしたクリエーティブグッズのデザインをするブロガーの韓鋭(ハン・ルイ)さんは、「デザイン・開発という視点から見ると、『商品の差別化』と『地域的テーマをしっかりとらえること』が、一般的に人気クリエーティブグッズの必須条件になる」との見方を示した。
また中国工芸美術館・中国無形文化遺産館収蔵品・収集部の蒋名未(ジアン・ミンウェイ)副部長は、「若い世代の消費者は『中国風』の美しさを非常に好み、博物館のグッズが台頭していくための市場の原動力を提供している」との見方を示した。
若者はSNSプラットフォームでの情報共有を他の世代よりもさらに好み、情報をアップするために博物館に出かけることが、若年層の間で流行しており、博物館グッズ市場の発展を促している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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