コンパクトカメラ、中国の若者の間で人気再燃 日常の記録に愛用―国営メディア

Record China    2024年12月1日(日) 14時20分

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十数年前に歴史の舞台から姿を消したCCD搭載のコンパクトカメラ。そのコンパクトカメラが今、中国の若者の間で日常を記録するツールとして愛用され、人気が再燃している。写真はコンパクトカメラ。

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十数年前に歴史の舞台から姿を消したCCD搭載のコンパクトカメラが今、中国の若者の間で日常を記録するツールとして愛用され人気が再燃している、と国営メディアが伝えた。1台当たりの値段は1000元(約2万1000円)からそれ以上に跳ね上がっている。

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CCDは光を電気信号に変換する半導体素子で、デジタルカメラのイメージセンサーに使われる。CCDを搭載したカメラは、十分な光の下ではクリアな写真を撮ることができる一方、サイズや画素数を上げることが難しい。

暗所での感度が低くてノイズが発生しやすく、露出寛容度が狭いなどの欠点がある。そのため2010年以降、カメラのセンサーはCCDを超える性能を持つCMOSへのシフトが進んでいる。スマートフォンが普及するにつれ、多くの大手メーカーは既にコンパクトカメラの生産を終了した。

しかし、国営新華社通信によると、日常生活や旅先の思い出などを動画で発信する「Vlog(動画ブログ)」が台頭。持ち運びに便利なコンパクトデジタルカメラの需要が再燃している。

CCDコンパクトカメラは味のある写真が撮影でき、日常を記録するのに便利な点が若者、特に学生を引き付けている。人気スターの影響も大きい。彼らがソーシャルプラットフォーム上で自分が使っているCCDコンパクトカメラをシェアしたことで、多くのファンがコンパクトカメラに注目し、同じものを手に入れたいと思うようになった。

コンパクトカメラ

小紅書(RED)」「抖音(ドウイン)」「微博(ウェイボ)」など中国のSNSには、中古のCCDカメラを手に入れたという投稿があふれている。大手通販サイト「淘宝網(タオバオ)」や中古品取引プラットフォーム「閑魚」などの電子商取引(EC)サイトを検索すると、中古CCDカメラ専門店が無数にヒット。実店舗も星の数ほどある。

記者が最近、深セン市にある有名な電気街、華強北市場を訪れると、CCDカメラを扱う店舗が数十軒あった。どの店先にもさまざまなブランド、モデル、年代、状態のCCDカメラが所狭しと並び、専門のリサイクルショップや修理店もあった。

専門家は「コンパクトデジカメは人々の情緒的価値の追求や個性を表現する手段になっている」と指摘。「写真の共有は今の若者にとって社交の儀式で、共有することが自意識の表現であり、集団のアイデンティティー強化にもなっている。その意味で、独特の魅力と価値があるCCDカメラの背後にある『エモーショナル消費』は、ある種の美的傾向として、若者のより良い生活への憧れを体現し、時代の発展の中で新たな意味を与えられている」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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