台湾で注目を集める3人組バンド「告五人-Accusefive-」、初来日ワンマン開催!満員のZepp Yokohama公演ライヴレポート 

anomado    2024年12月3日(火) 9時0分

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今や中華圏で大人気のポップ・ロック・バンド、告五人が、11月22日、KT Zepp Yokohamaでライヴを行なった。

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今や中華圏で大人気のポップ・ロック・バンド、告五人(ガオウーレン)、英語名Accusefive(アキューズファイブ)が、11月22日、KT Zepp Yokohamaでライヴを行なった。このライヴを含むツアーは<宇宙的有趣 AROUND THE NEW WORLD>というタイトルで、台北・高雄アリーナはもちろん、中国、東南アジア、オーストラリア、アメリカからヨーロッパまで続き、彼らの成功を示すように万単位の人が入る大きな会場での挑戦だ。そして今回は、横浜。大型ライヴハウスのZeppでどんなライヴを見せて聴かせてくれるのか、期待しながら向かった。

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Zepp Yokohamaはアリーナも満員、2階も満員の盛況。暗転になるとスクリーンにデザインされたロゴマークが映し出され、メンバー登場。ドラムス/パーカッションの哲謙(リチャード)はすでにノリノリだ。ヴォーカルの犬青(チュエン・チン)は、白いチャーミングなミニのドレスに黒いブーツの美しい姿で魅了する。そして、ギター&ヴォーカルで作詞作曲を担う雲安(ユン・アン)もさっそうと登場。3人だけにスポットが当たり「你要不要吃哈密瓜(How much do you know about the melon)」から始まった。この曲は告五人のデビューEP「迷霧之子(Let go)」の1曲目に収録されているもので、私も当時かっこいい曲だな、いいバンドが出てきたと思った事を思い出すほど、エッジの効いたロック。ライヴでもクール。告五人のヒストリーが始まった。

哲謙(リチャード)

犬青(チュエン・チン)

雲安(ユン・アン)

この日のサポート・ミュージシャンは、バンマスがベテラン・ベーシストの余銘展、キーボードの銭威良、そしてギターの翁光煒。計6人が作りあげる音は思ったよりずっと重く、確かな演奏力を感じた。そして、チュエン・チンとユン・アン男女二人のヴォーカルが時にハモり時にユニゾンで歌われ、これがまたぐっと厚みを持たせる。スタジアム級でのライヴをしてきた告五人らしい大きな存在感の中で心を込めた音楽を演奏し歌ってくれた。

告五人は、今の中華圏のメインストリームで大活躍するバンドであることは間違いなく、圧倒的なメディア・広告への露出で人気を博してきた。確かに心に染みる歌詞と忘れられないメロディは中華圏の美学を感じる。実際、タイトルを言えば観客が叫び共に歌っていた。まさに王道のスター。

一方、告五人の音楽の面白いところは、ちょっとした編曲で色々な音を聞かせることだ。たとえば、彼らの代表曲である「愛人錯過(Somewhere in time)」では、ティアーズ・フォー・フィアーズを思わせるギター・フレーズがあったし、「你所到之處(就下雨)Your Guilt-trip」では、キューバ~スティールパンの音色~カリプソが奏でられるなどカリブ海の音も聴こえる。現在Netflixで観られる台湾ドラマ「女優:ボーン・トゥ・シャイン」のための曲、今のところ彼らにとっての一番新しい曲「從未見過的海 Beyond The Sea」では南アフリカを感じたりもした。

そんな音楽へのこだわりを聞かせるかと思うと、途中にピンクの豚さんの大きなぬいぐるみがソファに置かれ、3人が座り、アコースティック・ギターとパーカッションのコーナー。リラックスした雰囲の中トークで客を楽しませ、交流する。

また、このコーナーではディーン・フジオカが作詞した共演曲「晴れの日」が見事な日本語発音で歌われた。後ろのスクリーンには、富士山と桜が写っていた。

ソファー・コーナーが終わると、今度は「給你一瓶魔法藥水 You Are My Magic」でシャボン玉がスクリーンに映され、チュエン・チンもシャボン玉を飛ばしハートの形にして観客に贈ろうとしている、可愛らしい曲で可愛らしい演出。ちなみに今回のツアー・タイトル<宇宙的有趣>はこの曲の歌詞から取られているそうだ。

今回のライヴ、日本的にはかなり長尺だったが、中華圏のスターたちのライヴは以前から3時間は当たり前だった。ひとつのライヴの中に様々な演出を設け、衣装も何回も替え、ゲストも呼ぶ、といった風なものが、特にスター的存在のアーティストたちでは中華の伝統のように今も行なわれる。おそらく告五人も大きなステージではセットをはじめ色々な演出を展開していたのでは?と思う。今度はそんなステージも観てみたい。

後半は、赤い綺麗なミニのワンピースに同色のブーツがやっぱり可愛いチュエン・チンに、ジーンズ地の上下の男性陣だったが、アンコールでは、お揃いのTシャツでカジュアルな感じで、改めてサポート・ミュージシャンとスタッフを紹介し、ユン・アンが「彼らがいなかったら実現できなかった」と言いバックステージに向かって深々とお辞儀。そしてチュエン・チンは観客に向かい付け加える。「でも一番大切なのは皆さんです」。

アンコール前の最後の曲「又到天黑 We Will Be Fine」では、スクリーンにステージを作る裏方さんやヘアメイク係の映像などを流す。何度も何度も感謝の言葉を口にしていた告五人。人柄だろう。

本編が終わりアンコール。スクリーンには「安可」の文字が。あ、アンコールね、と皆でこの言葉を叫ぶ。「帶我去找夜生活 Night life.Take us to the light」はちょっとユーロビートを感じさせるロックで、「在這座城市遺失了你 Where I Lost Us」は彼ららしくドラマティックに美メロを聴かせる。彼らにインタヴューをした時、僕たちはヴィンテージなサウンドも好きなんだ、と言っていたが、確かにそんな感じが、した。

日本で最近よく行なわれるのが、日本に住む、あるいは日本に来た中華圏の人々を前提としたライヴだ。私も何度か行ったが、当然トークはほぼ中国語であり、わからない日本人にとっては正直悲しい時間。でも中華圏の人たちが観に来るから大きな会場でのライヴを堪能することもできる。きっと、この告五人も、近い将来もっと大きなステージで、他の地域と同じスケールのライヴを見せてくれるのではないかと思う。それほどの盛り上がりだった。

告五人は、ライヴ最後に「謝謝大家、我們是(皆さんありがとう、私たちは)…」、そして会場と一緒に「告五人」と言い、元気に去っていった。(文/音楽評論家 関谷元子・提供/エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ・画像提供/相信音樂)








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