海南商業航天発射場でのロケット打ち上げが常態化へ、地元へのメリットは?―中国

人民網日本語版    2024年12月2日(月) 20時30分

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海南商業航天発射場でのロケット打ち上げが常態化している。

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海南省文昌市の海南商業航天発射場が11月30日夜、初の打ち上げミッションに成功した。これにより、中国初の商業ロケット発射場がハード、ソフト、人員の全ての面において、定期的な打ち上げ能力を備えていることが証明された。

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商業宇宙産業は世界的な戦略的新興産業として急速に発展している。近年、中国では多くの商業ロケット企業や衛星企業が登場している。商業宇宙発射場の正式運用により、商業宇宙産業の発展に必要なチェーンがより完全なものとなった。中国科学院院士であり、中国航天科技集団のロケット専門家である范瑞祥(ファン・ルイシアン)氏は、「商業宇宙産業のクローズド・ループ・チェーンの形成は、中国の商業宇宙産業の質の高い発展を後押しし、技術革新を促進し、新たな質の生産力を育成する」と指摘する。

海南商業航天発射場では、液体ロケット用の1号発射施設と2号発射施設がすでに完成しており、設計上、年間32回の打ち上げ能力を持つ。海南国際商業航天発射は国内の商業ロケット企業や衛星企業と幅広く連携を進め、将来の打ち上げ協力について協議している。継続的な調整と最適化を経て、数年後にはフル稼働が見込まれている。


打ち上げの常態化により、頻繁な衛星打ち上げが可能となる。打ち上げ能力の構築とたゆまぬ強化、ロケットの運搬能力の向上に伴い、将来的には衛星インターネットによりさらに多くの人々の仕事や生活が改善されるだろう。海南国際商業航天発射の発射事業部の首俊明(ショウ・ジュンミン)部長によると、一般の消費者は位置的・地域的条件による制限を受けることなく、携帯電話で衛星インターネットに接続することができるようになる。また、商業通信、気象、測量、ナビゲーションなどの分野においてもさらに応用が広がるという。

商業宇宙産業の打ち上げの常態化は、川下産業において新たな業態や新たな応用シーンを生み出すだけでなく、商業ロケットや衛星の製造、ロケットに搭載される電子製品、燃料推進剤など、川上産業チェーンの発展にもつながるとみられている。

海南商業航天発射場には、多くの商業ロケット企業や衛星企業が視察に訪れ、工場を建設している。半月前には、星際栄耀(Beijing Interstellar Glory Space Technology)社が文昌市で工場建設を開始。キャリアロケットの組立・試験・再利用能力の構築を目指している。

商業ロケットの高頻度の打ち上げは、発射場所在地の発展にも恩恵をもたらすだろう。文昌市は近年、観光客が文昌の魅力を多角的に体験することができるように、ロケットの打ち上げを活用して、宇宙、グルメ、観光を融合させた新たな旅行体験を積極的に打ち出している。

11月30日午後、海南商業航天発射場周辺には全国各地のナンバーの車が多数駐車していた。打ち上げの瞬間を目撃しようと観光客が集まったのだ。近隣の店は早くから開店し、地元の村民も露店を出すなど、現場は活気にあふれていた。

小学4年生の王若麒(ワン・ルオチー)君は11月29日に母親と共に海口へ飛び、到着後すぐに文昌へ向かい、ロケット打ち上げを見るための下見をしたという。「初めて現場で打ち上げを見て、インターネットで見るよりもずっと感動した」と話す王君は、母親と共に文昌を観光し、宇宙関連の教育イベントにも参加する予定だという。

海南国際商業航天発射の劉紅建(リウ・ホンジエン)社長は、「高頻度の打ち上げにより『宇宙+』産業にさらに多くの可能性がもたらされ、将来的には地元住民の起業や雇用の機会もさらに広がるだろう」との見通しを示した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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