2024年12月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が戒厳令を敷いたことに対する各国の反応について報じた。

尹大統領は3日夜、「北朝鮮の脅威や反国家勢力から韓国を守る」という理由で40年以上ぶりとなる戒厳令を宣言したが、翌朝には戒厳令の解除を表明した。記事は、解除発表後のソウルが「表面的には日常を取り戻した」としつつ、韓国最大の労働組合がストライキを呼び掛けるとともに尹大統領が辞任するまでは抗議を続ける姿勢を示すなど、大規模な抗議集会が行われたと紹介。一部の駐韓外国公館が本国国民に対し抗議集会会場に赴かないよう注意を呼び掛けたほか、LGやNaverなどの大手企業も従業員に可能な限り在宅ワークへの切り替えを求めたと伝えた。

その上で、米国や中国などの各国・国際組織の反応を紹介している。米国のブリンケン国務長官が「戒厳令の解除を称賛する」と述べ、国防総省のライダー報道官が「在韓米軍は今回の事件による影響を受けておらず、現時点で北朝鮮軍による動きも確認していない。韓国の安全保障に対する約束は揺るがない」とコメントしたことを伝える一方で、戒厳令騒動によって米韓防衛会談や合同軍事演習は延期されたとした。

また、中国の王毅（ワン・イー）外相がこの件について「韓国内部の事柄」として詳細なコメントを避けたほか、外交部報道官も4日に「関連状況を注視しているが、韓国の内政問題でありコメントを控える。わが国としては在韓中国人に対し安全確保の強化を呼び掛けた。韓国政府が有効な措置を講じて中国の国民、機関の安全を保障するよう望む」と述べたことを伝えた。

さらに、スウェーデンのウルフ・クリステション首相が5日に予定していた韓国訪問を延期し、日本も菅義偉副総裁ら日韓議員連盟メンバーが今月中旬に予定していた訪韓を中止したと報じている。

記事はこのほか、ロシア外務省が「韓国で起きた悲劇的な事件に深い憂慮を示す」とコメントし、マリア・ザハロワ情報局長が現地のテレビ番組で「韓国が安定性の予測不可能な国であることを明らかにした。北朝鮮は理由なく自らの安全を憂慮しているのではない。不安定な隣国に対し、北朝鮮は自らの安全を気にかける必要があるのだ」とコメントしたことを伝えた。（編集・翻訳/川尻）