直径6メートルの超巨大火鍋の周りに二十四節気に対応した24個の小型の火鍋が並び、多くの来場者が足を止めて見入る。これは、第2回中国国際サプライチェーン促進博覧会（CISCE）にあわせて催された「四川・重慶火鍋産業サプライチェーン促進イベント」の会場で記者が見た光景だ。

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イベント会場では、四川省と重慶市から集まった約100社の企業が火鍋のスープの素、調味料、食材、さらに食用廃油の再利用に至るまで、火鍋の全産業チェーンにおける製品を展示。火鍋という特定の食品ジャンルの背景に大規模なサプライチェーン市場があることに、多くの来場者が感嘆していた。

艾媒諮詢（iiMedia Research）が発表した「中国火鍋産業の発展および消費者行動モニタリングレポート2024」によると、2023年に中国火鍋産業の市場規模は5966億元（約11兆9300億円）に達しており、2025年には6689億元（約11兆3700億円）に成長する見通しで、市場は引き続き拡大していくとみられる。

具材を沸騰したスープにくぐらせて火を通せばすぐに食べられる火鍋は、一見するとシンプルな料理だが、実は奥が深い。

重慶火鍋協会の担当者は「火鍋を一人前食べるだけでも、スープの素、具材、食品加工機械など、供給業者はざっと30社に上る」と語る。

熱々の麻辣火鍋を味わう際には、脂っこさを和らげ、ほてりを鎮め、胃腸を守るための飲み物が必要なことが多い。このため、重慶市綦江区では豆乳飲料の生産企業を誘致し、秀山県では山銀花（スイカズラの一種）を原料にした茶飲料を発売するなど、火鍋産業チェーンの拡大が飲料産業の発展も後押ししている。

このように、小さな火鍋が第一次産業、第二次産業、第三次産業をつなぐ「チェーン」を形成しており、ここ数年、このチェーンは拡大し続けている。（提供/人民網日本語版・編集/NA）