香港問題で関係悪化、米NBAが6年ぶりに中国で復活=背景に「政治的思惑」も―シンガポールメディア

Record China    2024年12月11日(水) 18時0分

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米NBA(プロバスケットボール)のプレシーズンマッチが6年ぶりに中国で行われることが決まった。

NBA(プロバスケットボール)のプレシーズンマッチが6年ぶりに中国で行われることが決まった。シンガポール華字メディアの聯合早報が10日付で伝えた。

米ブルームバーグによると、NBAは6日、ブルックリン・ネッツとフェニックス・サンズが来年10月、中国マカオで2試合のプレシーズンマッチを行うことを発表した。試合が行われる会場はラスベガス・サンズグループが所有、管理している。サンズの支配株主であるミリアム・アデルソン氏がダラス・マーベリックスの過半数株式を所有していることから、今後、マーベリックスも中国での試合を行う可能性が高いと予想されている。

今回のプレシーズンマッチの実現には、ネッツのオーナーが中国EC大手・アリババの共同創業者兼会長の蔡崇信(ツァイ・チョンシン)氏であることが背景にあるとうわさされる一方、業界では2020年に就任したNBA中国の最高経営責任者(CEO)の馬暁飛(マイケル・マー)氏の関係改善のための尽力があったとされている。同氏の父親は中国国営の中央テレビ(CCTV)スポーツセンターの元主任だ。

6年ぶりのプレシーズンマッチがビッグニュースになった背景には、香港をめぐる中国とNBAの対立があった。19年、中国のスター選手・姚明ヤオ・ミン)もプレーしたヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)、ダリル・モーリー氏が「自由のために戦おう。香港と共に立ち上がろう」と書かれた画像をSNSに投稿した(後に意図はなかったと釈明)。

これをきっかけに中国政府や社会の猛反発が起こり、CCTVスポーツチャンネルやテンセントは、直ちにNBAの試合の中継を停止した。NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、これにより数億ドルの損失が出たと語っている。

聯合早報の記事は、「このようなビジネス上の巨大な利益は、NBAが中国市場を無視するのを難しくしている」と指摘。「ボストン・セルティックスでプレーしていたエネス・カンターが22年2月にロケッツにトレードされた後、すぐに解雇されたこともそれが理由かもしれない」と論じた。カンターは当時インタビューで「中国でジェノサイド(大量虐殺)が起きている」などと発言したほか、SNSでチベットを支持する投稿などを行っていた。

中国ではモーリー氏の発言が物議を醸してから放送を停止。一時再開されたが、20年10月のファイナル以降は一切放送されなかった。だが、1年半後の22年3月から本格的に放送が再開された。中国では1986年にNBAの放送が開始して以降、大きな人気を誇っており、中国のファンの数は米国のファンを上回っているとされる。市場としての重要性はよく認識されており、過去にも有名選手らがたびたび中国にPRに訪れている。

記事は、「米中の交流という面では、来年1月のトランプ政権発足に伴い、両国関係が大幅に悪化するのは避けられないとの見方が広がっている。こうした中、NBAがマカオで試合を開催できるようになった背景には、マカオの地元政府など各界の強力な支援があったというだけでなく、別の角度から見れば多くの『政治的思惑』があったに違いない」と指摘した。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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