2024年12月11日、韓国・中央日報は「3日に非常戒厳を宣布した尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領に弾劾訴追案が出されるなど韓国で政局混乱が続く中、慶尚南道宜寧郡議会所属の議員らが、名所観光が予定に組み込まれた海外出張に行ったことが分かり、物議を醸している」と伝えた。

記事によると、宜寧郡議会所属の議員ら16人は9日午前、海外出張先の日本に向けて出発した。成田、横浜、新宿、銀座、大阪などを回り、13日に帰国する予定となっている。出張費用は計2800万ウォン（約296万円）で、このうち2326万ウォンが郡議会の予算から支出されるという。

記事は「大統領の非常戒厳宣布により混乱が続き、政府と国会だけでなく地方政府や地方議会も非常体制を稼働させている状況の中で観光目的の出張に行ったことに対し、批判の声が続出している」と伝えている。

宜寧郡のウェブサイトには「国民は予定をキャンセルしてまで国を心配している。彼らには議員の資格がない」と主張し、「日本旅行に行った議員らのパスポート抹消を願う」と求める請願が書き込まれた。

宜寧郡議会は「海外の先進国の医療福祉と文化観光、災害対応、都市再生分野における制度と施策などを比較観察して視野を広げ、多角的な政策提案を通じて地域の発展と議政活動に積極的に活用する」との目的で公務国外出張を行っているとの立場を示したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「市・郡・区議員も弾劾せよ」「国民は国を心配し、この寒い中でも弾劾集会に参加している。こんな時に郡議員が税金を使って海外旅行？。非難されて当然」「16人もいて『時期が適切でない』と考える人は1人もいなかったの？」「もう韓国に帰ってこないで」「国民にとって彼らの存在は得より損の方が多い」「公務員の海外出張制度自体をなくすべき」などの声が上がっている。（翻訳・編集/堂本）