2024年12月11日、中国メディアの環球時報は、スペインメディアのABCの「中国自動車ブランド繁栄の秘密を探る」という記事を紹介した。

同記事は、「中国の自動車はすでに大衆市場で足場を固めている。スペインでの中国自動車販売台数は3万7000台近くに達し、ブームとなっている。21年以来、スペインに進出している中国自動車ブランドの数は2倍に増加し、市場シェアは4％に達している」と紹介。多くのスペイン人ドライバーを引きつける要因として、多種多様なモデルを提供していることに加え、より手頃な価格となっていることを挙げている。

加えて、「価格以外でも、中国の自動車はあらゆるドライバーのさまざまなニーズを満たすことができる。中国自動車メーカーはエコノミーカー、中級車、高級車を提供することができるが、これにより他のメーカーがさまざまな要因で撤退したためにできた市場の空白を埋めている」と紹介。そのようなことができる要因については、「製品ラインを排出基準に適応させたり、電気自動車（EV）化推進のために調整したりしていることが挙げられる」と分析している。

また、同記事は「中国の自動車メーカーはEV分野のパイオニアであり、10年以上にわたって技術を開発・改良し続けてきた」と指摘。その例として、寧徳時代（CATL）と比亜迪（BYD）がそれぞれ車載電池搭載量シェア世界第1位、第2位のバッテリーメーカーであることを挙げつつ、これらのような企業がバッテリーを内製することでバッテリー調達コストを下げることができるため、「欧州ブランドの車より価格競争力を持たせることができる」としている。

さらに、「欧州で販売されている多くの中国の自動車は、安全性や製品品質などの重要な要素で、欧州製自動車と互角か、それ以上であることもある」とも主張。23年および24年に実施された欧州新車アセスメントプログラム（ユーロNCAP）の衝突テストを受けたすべての中国自動車メーカーの自動車が、最高評価である5つ星を獲得したことを引き合いに出し、「安全性において西側の競合製品に劣らない」と強調した。

また、同記事は、重要な要素として、「多くの中国自動車メーカーがますます強固で広範なアフターサービスネットワークを構築している」と指摘。他にも、「中国の自動車を扱う現地の一流の輸入業者は、顧客が中国の自動車を扱うディーラーの下に直接足を運び、試乗するという昔ながらの販売方法に力を入れているが、このような販売方法も市場で広く受け入れられている」とした。

同記事は最後に、欧州全域で展開する自動車取引プラットフォームであるAutoScout24のスポークスマン、イグナシオ・ガルシア・ロヒ氏のコメントを紹介している。同氏は、「欧州の自動車市場は現在大きな盛り上がりを見せている。多くの自動車企業が市場に参入し、あらゆるドライバーの嗜好（しこう）やニーズを満たしている」とした上で、「中国の自動車メーカーが提供する広範かつ多様なEVモデルは、ガソリン車技術とは異なる、より環境に優しい技術を人々に知らしめるものだ」と評した。中国車への関税については、「われわれはそのような制限を課すことは適切ではないと考えており、その是非については市場が判断を下すべきだ」との考えを述べている。（編集・翻訳/奈良）