「グッズ経済」は中国の消費を救うことができるか?―シンガポールメディア

Record China    2024年12月21日(土) 9時30分

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13日、中国メディアの環球時報は、シンガポール華字メディアの聯合早報の「『グッズ(谷子)経済』は中国の消費を救うことができるか?」という記事を紹介した。

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2024年12月13日、中国メディアの環球時報は、シンガポール華字メディアの聯合早報の「『グッズ(谷子)経済』は中国の消費を救うことができるか?」という記事を紹介した。

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同記事は、中国語の「谷子(グッズ)」という言葉について「発祥は日本であり、 “goods(商品)”という英単語の音訳に由来する。中国のインターネット用語では、アニメ、ゲーム、アイドルなどの知的財産(IP)作品から派生する周辺商品を指す」と説明。同記事によると、中国における「グッズ経済」の市場規模は5000億元(約10兆円)を超える見込みだという。

同記事は、「『グッズ経済』を支える主力は『90後』(1990年代生まれ)や『00後』(2000年代生まれ)であり、満足感のための消費や価値観の共有のための支出を惜しまない。彼らは毎月数千元を費やすことも珍しくなく、『グッズ経済』を力強く支えている」と説明。その例として、7万元(約140万円)以上に高騰したバッジを購入した「グッズ民」(グッズ購入者)を挙げている。この「グッズ民」は「購入したのは満足感だ」と語ったというが、同記事は、「このような高額な消費行動は、しばしば『グッズ民』でない者を驚かせる」とした。

また、「『グッズ市場』の急速な膨張は、転売業者の横行も招いている」とも指摘。「転売業者は市場の供需の不均衡を利用し、限定版や特別版の商品を先行して買い占め、人為的に希少性を作り出している。これが市場価格の深刻な高騰を引き起こしている」と批判した。

同記事は、中国の経済学者である盤和林(パン・フーリン)氏の、「グッズを収集することは一種のコミュニケーションの手段である。同じIPを好む人々が『グッズ』に関する売買の話題を中心にコミュニティーを形成し、その中で自分なりのつながりや居場所を見出すことができる」との分析を紹介している。また、心理カウンセラーである陸婧(ルー・ジン)氏の、「中国の若者が『グッズ』を好む理由は、アイドルやバーチャルなキャラクターに夢中になるのと似ている。それ(アイドルやキャラクター)を実際に手に入れられない場合でも、それに強く惹かれる気持ちがある時、代わりに手に入れられるものが必要になる」という見解も紹介している。

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他にも、中国のゲーム産業アナリストである張書楽(ジャン・シューラー)氏が、「中国の『グッズ経済』はまだ初期段階にある。アニメやゲームなどのIPのメインストリームは依然として日本、韓国、欧米で、中国のIPはまだまだ弱い」と述べたことにも触れた。

さらに、同記事は、「グッズ民」は主に一線都市に集中していることに触れ、「『グッズ』が消費、活用される場所は限られている。そのため、『グッズ』のメインストリームはブラインドボックスやカード、コスプレに限定され、関連商品の展開が十分ではない」と分析した。

最後に、同記事は「投資家がより注目するのは、『グッズ経済』の成長が持続可能かどうかだ。『グッズ』がIPから切り離された場合、その価値はなくなってしまう。そのため、堅い基礎のない『グッズ経済』が中国の消費を大きく押し上げるかどうかを判断するのは、時期尚早である」と評した。(編集・翻訳/奈良)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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