中国科学院の研究者は20日、中国の月探査機「嫦娥6号」が月の裏側から採取したサンプルを分析したところ、月の磁場の強度が28億年前に反発した可能性があることを発見しました。これは月の磁場が約31億年前に急激に低下し、それ以来低エネルギー状態が続いているという従来までの認識とは異なるものです。人類が初めて取得した月の裏側の古月磁気情報だけでなく、月の磁場の進化過程を認識するために重要な「アンカーポイント（判断基準点）」も提供しました。関連成果は国際学術誌「ネイチャー」に掲載されました。

地球の液体外核の導電性流体の運動は「発電機」のようで、その発生した磁場は地球を包み込むと共に、宇宙線を遮蔽して地球の大気や水など生命が生存できる要素を保護し、生命の繁殖に適した環境を形成させています。月にもかつて地球に似た「磁場発電機」が存在していました。

月の「磁場発電機」の進化過程を理解することは、月の内部構造、熱履歴、表面環境を明らかにする上で重要な意義があります。

「ネイチャー」の査読者によると、これは極めてオリジナリティを持つ研究であり、研究チームは人類が初めて採取した月の裏側の玄武岩に対して厳密な古月磁気分析を実施して、ハイクオリティかつハイレベルなデータを提供したとのことです。（提供/CRI）