宇宙を旅したキクラゲ菌株、農家の貧困脱却を支援―中国メディア

人民網日本語版    2024年12月22日(日) 13時30分

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黒キクラゲ産業は山東省の中陽県が貧困脱却の成果を強化・拡大し、農村の全面振興を実現するための重要な支柱産業になっている。

北京航空航天大学「月宮1号」実験室で18日に行われた引き渡し式で、宇宙を2週間旅した心言豹林山耳有機黒キクラゲ菌株が正式に山西心言生物科技(心言公司)の雷星星(レイ・シンシン)会長に引き渡された。こうした菌株は山西省呂梁市中陽県の心言公司食用キノコ研究栽培拠点に送り返され、さらに選定・育成研究が行われる。科技日報が伝えた。

北京航空航天大学は2015年より中陽県の貧困者支援を行っており、毎年「ポイント・ツー・ポイント」のリサーチを実施している。同大は心言公司の黒キクラゲ産業拠点のリサーチで、同社に黒キクラゲ宇宙育種の需要があることを知った。

黒キクラゲは重要な経済的価値を持つ食用キノコだ。北京航空航天大学から中陽県下棗林郷陽坡村に派遣された伊志豪(イー・ジーハオ)第一書記は、「黒キクラゲは自然環境でゆっくりと進化するが、宇宙育種を通じて性状がより優れた黒キクラゲ菌株を得ることができ、黒キクラゲ新品種の育成と産業の高度化を促進することになる」と説明した。

北京科思騰達科技の李飛(リー・フェイ)副社長は、「伊氏は7月、実践19号衛星に中陽県の心言豹林山耳有機黒キクラゲ菌株を搭載し、宇宙で変異誘発・育種実験を行うと提案した。双方は研究と議論を重ねることで、最終的に実験案をまとめた」と振り返る。

日常的によく目にする花弁状の黒キクラゲを直接宇宙に送ることはできない。伊氏は「まず黒キクラゲ菌株を宇宙に搭載できるフリーズドライパウダーに変える。菌株は普通の状態での生存期間が短い。冷凍乾燥機など一連の設備の処理により、その生存期間が大幅に延びる。こうした予備作業は、いずれも当学の月宮1号実験室のチームの教員・学生によって行われた」と述べた。

黒キクラゲ産業は現在、中陽県が貧困脱却の成果を強化・拡大し、農村の全面振興を実現するための重要な支柱産業になっている。中陽県黒キクラゲ産業のリーディングカンパニーとしての心言公司は、年間収穫量が1億菌床ブロックの研究開発生産複合体と1000軒の標準化黒キクラゲ栽培ハウスを完成させた。

心言公司の営業担当者である高建偉(ガオ・ジエンウェイ)氏は、「当社が黒キクラゲ菌種の宇宙育種を行うのは初めてで、今後の選定・育成結果にも期待している。当社は引き続き母菌株の育成と繁殖を行い、早ければ来年5月中旬にも宇宙キクラゲを収穫する見込みだ」と述べた。

「こうした宇宙菌種から収穫量がより多く、より栄養価が高く性状が安定し、ストレス耐性が高い黒キクラゲ菌株を選びたい。今回の宇宙育種は中陽県のキクラゲ農家が高品質の黒キクラゲを栽培し、豊かにするためだけではなく、中国の黒キクラゲ遺伝資源を豊富にし、人―動物―植物―微生物の『4生物連鎖』の生物再生・生命維持システムに基づく地球外基地の建設に向けたサポートを提供する」と伊氏は話した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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