anomado 2024年12月27日(金) 12時0分
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台湾メディアのBEAUTYは中国の時代劇ドラマ「九重紫」が高い評価を受けた理由について解説する記事を掲載した。
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2024年12月24日、台湾のエンタメ・美容サイトのBEAUTY(美人圏)は、全34話の配信を終えたモン・ズーイー(孟子義)、リー・ユンルイ(李昀鋭)主演の中国時代劇「九重紫」がネットで「今年最も面白い時代劇」と高評価を得ていることを受けて、五つの点から解説する記事を掲載した。(本記事はネタバレを含みます)
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記事は「配信前の『九重紫』について、ネット上では伏線も回収されないまま尻すぼみになるのではと心配されていたが、最終的には伏線も余すところなく回収して丸く収め、『今年の最高傑作の時代劇』という声もネットユーザーの間から上がった。一体どんなところがネットユーザーの評価につながったのかを見ていこう」と述べ、五つの点から同作の高評価について考察を加えた。
一つ目の視点は「前世と現在の完璧なエコー」で、「九重紫の主役カップルの生まれ変わりの設定は、逆襲のストーリーとしてはベタではあるものの、今作では複雑に錯綜しつつ絡み合う運命のつながりをうまく演出していた。主役カップルの前世と現在によるエコーは、いわゆるバタフライエフェクトを生み、互いを夢に見ることで運命の相手であることを認識するなど、同作のファンに前世と現在がつながっていることをダイレクトに印象付け、同時期の転生ものの他作品を超えた時代劇となった」と述べた。
二つ目の視点は「モン・ズーイーとリー・ユンルイが演じる子育てシーンの甘美さ」で、「九重紫のラストでは、宮廷内のクーデター終結の5年後を映していた。モン・ズーイーが演じるヒロイン・竇昭は恋人の将軍・宋墨との愛を成就させ、天真爛漫で人懐っこい娘を生んでいる。口を開けば遊んでとねだってやまない娘に、竇昭と宋墨は『育児は戦より疲れる』などと笑ってくたびれてしまうのだが、その様子はあめのようにスイートだ。竇昭と宋墨は育児の合間にも夫婦水入らずのデートで外出するが、そこで竇昭が『夫婦仲睦まじく、一生家族団らんで』と願いながら、幸せな日々を過ごす。このように婚姻から出産、育児までのシーンをしっかり撮影した時代劇は多くない。この点が九重紫のラストの伏線回収を非常に円満なものにしている」と指摘した。
三つ目の視点は「脇役のラストシーン」で、「主役2人が円満なラストを迎えただけでなく、他の重要な脇役の行く末もキャラクターに見合ったものとなっている。例えば、コン・シュエアル(孔雪児)が演じた苗安素は、ヒロインの竇昭の姉妹のようなキャラクターで、宋墨の弟の宋翰に嫁ぐが、後に宋翰が自分の家族を殺害したことを知ってしまう。苗安素は愛情と道義の間で悩んだ末に自らの手で愛する夫を殺害する。他にも、ユミコ・チェン(鄭希怡)が演じた萬皇后は三国志演義の諸葛亮のような知略に富んだキャラクターで、皇帝のために謀略を練るが、かえって皇帝には真意が通じず、闇落ちしてクーデターを起こすも失敗する。そして皇帝に自分の皇后の位を廃して処刑するよう求める。竇昭と同様に聡明な女性の萬皇后が、ヒロインとは真逆の結末を迎えるのも、キャラクター設定から見て最適な結末といえる」と指摘した。
四つ目の視点は「原作から変更したシーンの残念さ」で、「九重紫のラストはうまく収まったが、まったく残念な点が無くはない。それは原作小説にあった竇昭と宋墨が再会する名シーンを完全に変更してしまったことだ。原作では反乱軍に包囲された城を抜け出した竇昭の前に宋墨が現れ、『城の用事は済んだの?』と笑いながらたずね、竇昭を抱きしめる。数々の苦難を乗り越えた竇昭が宋墨こそ自分に安定した未来を与えてくれると確信する日暮れのシーンだ。だがドラマ版では、雪が降る城の外に場面が変更され、クーデター後に竇昭が血まみれの宋墨へ駆け寄り、泣きながら『城の外で待たせないで。こんな冷たい城壁は二度と見たくない』というせりふの後に2人が抱擁するというシーンになっていた。良いシーンではあったが、やはり原作の方がより感動的だったと思った視聴者も少なくない。この点が唯一物足りなかった」と述べた。
五つ目の視点は「今年最高傑作の時代劇の称号」で、「九重紫は大物キャストや財力のあるスポンサーをつけた制作チームがいたわけではなかったが、監督が全シーンを丁寧に撮影し、シナリオを細かい点まで練りに練った上に、モン・ズーイーとリー・ユンルイの主役ペアをはじめとする演者のルックスと演技の相乗効果もあって、時代劇として有終の美を飾ることに成功した。動画配信サービス・騰訊視頻(テンセント)の熱度が3万点を超える好成績を記録し、配信期間にさまざまなプラットフォームで熱い討論や考察が交わされ、名実共に年末ドラマのダークホースとなった。だからこそネットユーザーから今年最高傑作の時代劇に挙げられた」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)
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