「日本を甘く見てた」、週末日本旅行にハマる中国人たち―中国メディア

Record China    2024年12月26日(木) 7時0分

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中国メディアの毎日人物社は24日、日本が中国の上海など一部地域の人にとって「裏庭」のように気軽に行ける場所になっていると伝えた。

中国メディアの毎日人物社は24日、日本が中国の上海など一部地域の人にとって「裏庭」のように気軽に行ける場所になっていると伝えた。

記事は、日本は今や江浙沪(江蘇省、浙江省、上海市)から2~3時間で行ける労働者たちの「裏庭」のようになりつつあると説明。上海から日本へは週に400便以上が運航されており、オフシーズンの格安航空会社(LCC)であれば大阪への往復航空券が400元(約8000円)で購入できることもあると伝えた。

また、現在は中国国内よりも日本の各地方へのアクセスの方が利便性が高く、どの村にも通じているという「日本村村通」との言葉が流行していると紹介。高級品業界で働く女性・陳(チェン)さんが「佐賀空港は非常にマイナーな場所で入国ゲートは三つしかなく、外は畑に囲まれている。世界中旅したがこんなに簡素な空港は初めて。上海から直行便が出ているとは驚き」と語ったことを紹介した。

記事によると、中国では昨年から、弾丸節約旅行をする人を表す「特殊兵」という言葉が旅行者の間でキーワードになっているが、今年は特に週末に旅行する人を指す「週末特殊兵」という言葉が話題になっている。前出の陳さんは金曜日に飛行機に乗り、夜9時に日本に到着してホテルの温泉に浸かるという旅をしているといい、「浴槽の中で東京の夜景を眺めていると、すべてが報われた気持ちになる。少し前まで会社で残業していたのに、次の瞬間には温泉でリラックスしている」と語った。

1年に13回も日本を訪れるという陳さん。上海から福岡へのフライトはわずか2時間ほどのため、「金曜日の仕事終わりに飛行機で出かけ、月曜の早朝に帰国すれば仕事に間に合う。2日間なので荷物もそれほど必要なく、(預入荷物はなく)手荷物だけで旅行するようになった」と話した。統計によると、2023年10~12月に、上海市、江蘇省、浙江省から日本を訪れた旅行者は中国人客全体の57.2%を占めたという。

上海でIT関係の会社に勤める男性・李(リー)さんは、今年3月のある土曜日の早朝に日本に向かった。午前2時に起床し、同3時に空港に到着、同6時に離陸し、2時間余り後には大阪に到着していた。そこから食事をし、京都で清水寺や鴨川を観光。翌日は嵐山などを散策し、午後5時に大阪に戻り、夕食をとってから帰国の途に就いた。1泊2日の旅行は航空券代、宿泊代などを合わせても3000元(約6万4000円)で収まったという。

有給休暇などを利用して1週間日本を旅行した牙牙(ヤーヤー)さんは、「中国の職場では人と関わることが多く、仕事を終えて帰宅すると何も話したくなくなる。日本は個人主義が強い社会で、焼肉店に1人用のテーブルがあるほか、1人でも気軽泊まれるホテルも多くて、1人旅に優しい。街を歩いても、人と人との距離が少なくとも30センチ以上は離れており、『安全』な距離が保たれていることにも驚いた。日本で7日間過ごして発した言葉の量は、1日にオフィスで発する量よりも少なかった。口と頭をリラックスできた」とその良さを語った。

また、敏(ミン)さんは「日本では牛馬(社畜)から神様に昇格したような気分が味わえる」と言及。初めて日本を訪れた際に立ち寄った靴屋での店員の接客について、「500~600元(1万1000~1万3000円)くらいの靴なのに店員さんはひざまずいて靴を履かせたり脱がせたりしてくれた。帰る時にはエレベーターまで送り、ボタンまで押してお礼を言って見送ってくれた」と振り返り、エレベーターの扉が閉まるなりチャットアプリ・微信(ウィーチャット)で友人に「日本を甘く見てたわ」とメッセージを送ったそうだ。

敏さんはもともと買い物するつもりはなかったものの、帰国する頃には大荷物になっており、帰国後にはまた日本に行こうと決め、すぐに3年有効の数次ビザを申請したという。

記事によると、上海には大手企業が多いため、経済的にある程度豊かだったり、柔軟に休暇を取れたる職場環境があったりすることも弾丸訪日旅行が流行している背景にあるようだ。彼らは飛行機で2~3時間ほどで行ける日本で、仕事から解放され、非日常を味わいたいと考えている。また、日本は公共交通機関が発達しておりどこにでも行けること、日本の街にはコンビニや自動販売機が多くベビールームが設置されている施設も少なくないため家族で旅行しやすいこと、社会が秩序立っていて安全なことなども魅力だという。

陳さんは、福岡で花火大会を見に行った時の様子について、「整理券をもらって指定された場所にシートを敷いて座った。屋台で軽食や飲み物が販売されていて、少し雑然としていたけど、その中に秩序があった」「花火が近くに落ちてボヤがあり、とっさに韓国梨泰院の踏みつけ事故を思い出したけど、消防車がすぐに到着し、放送でも慌てないようにと呼び掛けられていた。誰もむやみに動くことなく、火はすぐに消し止められた」と説明した。

コスパの高さも魅力で、牙牙さんは「杭州で食べた400元(約8000円)の寿司はまずかった。上海ではさらに高く、お任せコースは5000元(約10万円)もする。でも、日本のグーグルマップの星4.5の居酒屋では400元で、新鮮でボリューム満点の海鮮を楽しむことができる」と語った。陳さんは25元(約500円)で軽食まで付いてくる愛知のモーニング文化に驚いたといい、「これが上海なら125元(約2500円)はするだろうな」と思ったそうだ。

記事は、最近では航空券やホテルの価格が上昇してきているものの、日本に行きたいと願う労働者たちの気持ちに変わりはないとした上で、「日本から戻った後に夢見心地でなかなか仕事に集中できず、まだ日本にいるような気がしていた」という李さんの話を例に挙げ、「唯一の弊害は、たった2日間の旅行で1週間思い出に浸らなければならないことだ」と述べた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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