【CRI時評】米国とフィリピンの「グレーゾーン戦略」とは

CRI online    2024年12月27日(金) 13時30分

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フィリピンの海軍司令官はこのほど、南海での中国船舶の行動に対応する「グレーゾーン戦略」を策定したと述べた。

フィリピンの海軍司令官はこのほど、南海での中国船舶の行動に対応する「グレーゾーン戦略」を策定したと述べた。

「グレー」と称するのは、軍事的目標の達成を狙っているのではあるが、軍事的手段ではなくルールや議題を持ち出すことで、すなわち「ハードパワーとソフトパワー」を組み合わせることで、ライバルを比較的低コストで抑制することを目指すからだ。フィリピンは過去1年間余り南海に関連して、中国の権益を保護する中国海警局の船と「絡み合う」にせよ、世論をあおり立てて勢いをつけるにせよ、実際には「グレーゾーン戦略」を実行している。

「民間」で「軍」を隠す、経済分野での手段、いわゆる科学調査の名目で実際の占領意図を隠す、国際世論を操作する中国に対抗する認知戦を仕掛ける、国際的にメディアを利用してあおり立てて勢いをつける――。これらはいずれも、フィリピンが「グレーゾーン戦略」で実施する具体的な手段だ。ここで指摘せねばならないことは、フィリピンが「グレーゾーン戦略」を実行する後ろ盾は米国だということだ。米国はこの策略をいわゆる「インド太平洋戦略」の実施を推進する重要な手段として、外交、経済、認知戦など多くの分野で実行しているが、フィリピンの役割はこれらの中の一部にすぎない。

米国の「グレーゾーン戦略」には、実行の面でいくつかの特徴がある。

まず米国防総省、国務省、情報機関など各部門が協調して行う。次に強力な認知戦を展開し、虚偽のニュースを流布し、中国の南海関連の政策と海洋での行動を貶(おとし)めることで、国際世論が中国に圧力をかけるよう誘導する。さらに、「代理人」を利用してアジアにおける中国の利益に挑ませ、中国に南海での紛争での妥協を強要しようとする。米国にとって、「代理人」は2種類に分けることができる。まずは日本とオーストラリアだ。この両国は経済、科学技術と軍事実力が相対的に強く、米国にとって対中競争での優位を獲得するための力の重要な構成要素と見なされ、同時に米国に協力させることで、地域のその他の国の能力を高めることができる国だ。もう一つはフィリピンとその他の一部の地域内の国で、これらの国は特殊な地理上の位置によって、米国に中国を牽制(けんせい)する突破口として使われている。

国際問題ウォッチャーは、米国とフィリピンが協力して南海問題で中国に対して「グレーゾーン戦略」を実施することには、多くの思惑があると見ている。第一は、南海地域における米国の海洋での力を存続させ、いわゆる「航行の自由」を確保する思惑だ。第二は、米国のいわゆる「インド太平洋戦略」を推進し、南海周辺国との同盟関係を強化することだ。第三は、中国と隣国との領土や海洋の紛争に介入することにより、中国の戦略空間を圧迫し、中国の発展の勢いを抑圧することだ。

しかし冷戦思考に満ちた「グレーゾーン戦略」は、平和を求め発展を図るASEAN諸国の心の声に逆行していると指摘せねばならない。その本質は米国式覇権主義を守ることであり、ASEANを中心とする地域の協力構造に深刻な打撃を与え、地域諸国の全体的かつ長期的な利益を損ねることになる。「グレーゾーン戦略」の代価を最終的に誰が支払うのか。米国を含む関係者はよく知っていると信じる。(提供/CRI

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