日本僑報社 2024年12月28日(土) 21時0分
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公園での花見をきっかけに、日本から中国に旅行に来ていた鈴木さんと知り合った。彼女は私と並んで立ち、雪のように散る桜の花びらを見て、「きれいですね」と言った。写真は羽生さん。
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一輪の桜がゆっくりと私の肩に落ちて、向かいの女の子はそれを拾って、私の髪に留めた。それから私の手をとって、ある歌一節を教えてくれた。
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“桜色舞うころ、私は一人、あなたへの思いをかみしめたまま。”
彼女の歌声が花びらと一緒に風に舞っている情景は、私にとって「夢よりもきれいな春の一瞬」として記憶に残っている。
公園での花見をきっかけに、日本から中国に旅行に来ていた鈴木さんと偶然知り合った。彼女は私と並んで立ち、風に吹かれて庭いっぱいに雪のように散る桜の花びらを見て、「きれいですね」と言った。日本のアニメから少しは日本語に聞き覚えがあった私は、彼女の声に応えたくて、当時それしか知らなかった「おはようございます」と彼女に挨拶した。彼女は振り向いて、にこにこしながら、中国語で「中国語専攻の学生です。ここに旅行に来て、あなたに会えて楽しかった」と声をかけてくれた。笑う彼女の細めた目は、まるで空の三日月のようで、私の心の中まできらきらとさせた。私たちは芝生の上に座って、朝の霞のように遠くまで続く桜色を見ながら、お互いに慣れない外国語で異国の者同士が交わした言葉は何よりも美しく感じられた。
「中国語を勉強する前は、中国を知りませんでした。でも学んで初めて、中国の文化にある独特の魅力と、日本の文化との深いつながりに気がつきました。この土地と人情にふれて、ますます中国が好きになったんです」と彼女が言ってくれたのを、今でもはっきり覚えている。当時は全部理解できなかったが、大学で日本語を専攻してから、日本語の魅力に酔いしれると同時に、日本理解のためのもう一つの窓が開いたことに気がついた。歴史書に書かれた記述にとらわれるのではなく、日本語を手段にして日本の歴史や文化を実際に体験することで、より豊かな日本を知ることができるのだ。だから、私は、日中両国民の親近感を高めるために重要なのは、お互いの国家に対して本当の姿を知ろうとする姿勢だと思う。
日本語を専攻する学生として、日中両国民の親近感を高める方法を二つ挙げたい。まず、中国国民が日本をより全面的に理解できるように努力すべきだ。日本語は文化を伝える道具として、中国語に翻訳された日本の新聞や文学作品などにより、中国の民衆が日本を直観的に理解するための手助けになる。だから、私たちが翻訳者として日本の情報や文化を身近な人に伝える際には、公正で客観的な姿勢を保ち、真実の日本を知ってもらう必要があるだろう。それ以外にも、アニメや漫画、スポーツなどの青少年に受け入れやすい形で、中国人の日本に対する好感度を高めることができるだろう。例えば、フィギュアスケートの羽生結弦選手は、中国選手の国旗を直すのを親切に手伝ってくれた。多くの中国人の心を温かくするこの行動は、これまでの日本に対する固定観念を打ち破る力を持っていた。
もう一つは、中国文化を積極的に伝える役割を果たし、より多くの日本人に現代中国の状況を知ってもらうことだ。例えば、中日友好校の間で文化交流活働をどんどん行っていけば、互いの文化に対する理解が深まるだろう。また、茶道などの活動をきっかけに一緒に交流できるのではないだろうか。より多くの日本人の友人が中国へ旅行することを歓迎し、中国人の親切さと発展した社会の利便性を自ら体験し、中国に対する認識を高めることができるはずだ。私たちも留学生として日本を訪問し、直接両国の誤解を解き、友情を深めたいと願っている。
歌のフレーズにある、「枯葉色そめてく、あなたの隣移ろいゆく日々が愛へと変わるの」のように、私たちの不断の努力によって、両国は必ずこれまでの誤解は氷解し、より良い仲間として友情を育み、未来に向けて力を合わせることで、共に東方の日の出の暖かさを浴びる日がきっと訪れるだろう。
■原題:中日間の更なる友好の橋を作るために、私ができること
■執筆者:曹湛碩(中国人民大学)
※本文は、第19回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「囲碁の智恵を日中交流に生かそう」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載・編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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