中国人監督による『夏が来て、冬が往く』、新宿武蔵野館をはじめ日本各地で上映

anomado    2024年12月28日(土) 16時10分

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東京都内の新宿武蔵野館で27日、中国の新鋭映像クリエーターである彭偉(ポン・ウェイ)監督(写真右)の『夏が来て、冬が往く』の2週間限定上映が始まった。

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東京都内の新宿武蔵野館で27日、中国の新鋭映像クリエーターである彭偉(ポン・ウェイ)監督の『夏が来て、冬が往く』の2週間限定上映が始まった。同作品は海辺の街を舞台に家族愛を描いた、彭監督の長編映画デビュー作だ。上映開始後の初の週末である28日土曜日には、朝から多くの人が新宿武蔵野館に足を運んだ。

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『夏が来て、冬が往く』は、ある家族の「人には言えない事情」を紹介しながら、中国の特殊な事情や社会の変化を浮かび上がらせた。中国では結婚はしない選択をする女性が増え、少子高齢化に拍車をかけている。その背景には、失業率の上昇など将来への不安がある。また、1980年頃に導入され2015年まで続いた「一人っ子政策」の影響で女児の出生数が男児よりも多くなり、男尊女卑の考え方が根強い地方では女児が歓迎されず、養女に出されたケースも多かったという。

彭監督は、これまであまり映像作品で取り上げられることのなかった、こうした中国社会のひずみにスポットを当て、中国で実際にあったいくつかの家族のエピソードを盛り込んで、多くの女性が経験したにも関わらず、大きな声では語ってこなかった心の傷に優しく寄り添った。

『夏が来て、冬が往く』

本作は、脚本や撮影の制作は中国で、仕上げ作業は日本で行うという日中共同作品として制作された。撮影場所には中国の山東半島南部の風光明媚な街である青島が選ばれた。同作品は第36回東京国際映画祭(2023)の提携企画である「2023東京・中国映画週間」で新鋭監督賞を受賞した。

28日には上映後に、彭監督と彭監督の日本大学芸術学部留学生時代の指導教授でこの作品の顧問も務めた宮澤誠一さんが登壇し、撮影のエピソードなどを紹介した。彭監督は現在、日本での留学で学んだ経験などを生かして中国で映像制作の仕事をしている。


是枝裕和監督、滝田洋二郎監督、俳優の栗原小巻さんなど、国内外で活躍する著名人が本作への応援コメントを寄せた。

同作品は北海道、青森、栃木、静岡、愛知、大阪、京都、愛媛、福岡なども公開予定だ。(取材/RR)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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