2024年12月30日、中国メディア・紅星新聞は韓国の務安国際空港で起きた旅客機事故の犠牲になったタイ人女性2人のエピソードを紹介した。

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記事は、同空港で29日午前に起きたチェジュ航空の旅客機炎上事故で犠牲になった179人の中に含まれていた、ゾンラー・ドゥアンマニさん（45）とシリトン・チャオイー（22）さんのタイ人女性2人について取り上げた。

記事によると、ゾンラーさんはタイ北東部のウドンターニー県出身で、約7年前に就労目的で渡韓した後、韓国人男性と結婚。毎年故郷に帰省しており、今年も夫と共にタイを訪れたが、夫は14日に2人の子どもを連れて先に韓国へ戻っていた。ゾンラーさんの父親（77）は娘が事故で犠牲になったと知り、「こんなことが自分の家族に起きるとは思いもしなかった。涙が枯れるまで泣いた」と心境を語るとともに、韓国に戻る前にゾンラーさんがまるで何かを予感していたかのように「地元の葬儀組織に使ってほしい」と父親に1万バーツ（約4万6000円）を渡していたことを明かしたという。

また、シリトンさんは華人系の家庭に生まれたバンコク大学人文観光管理学部の4年生だった。熱心に勉学に励んだことで奨学金も取得し、家族の誇りとされていた。大学では航空ビジネスを学び、卒業後はキャビンアテンダントとして働く予定だったが、韓国に住む母親を訪れるために事故機に乗り、犠牲になった。叔父の話では、シリトンさんは韓国で母親に会うことを楽しみにしていたという。

母親のスティニーさん（43）は事故発生当時、娘を出迎えるために務安空港で待機しており、再会を目前にして愛娘を失った悲嘆は計り知れない。火災により遺体の身元確認が難航する中、空港で待ち続けるスティニーさんは、シリトンさんが搭乗直前に「お母さん、飛行機に乗ったよ」と中国語で送ってきた最後のメッセージを見て涙を流していたという。（編集・翻訳/川尻）