子供が住む都市で春節を過ごすために「逆張り移動」する高齢者が増加―中国

人民網日本語版    2025年1月22日(水) 18時30分

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春節の逆張り移動が新たな風潮となっている。

中国では14日に春運(春節<旧正月、今年は1月29日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)がスタートし、各駅は帰省客で混雑している。そんな中、60代の王春喜(ワン・チュンシー)さん夫婦は帰省の流れに「逆行」し、紅腸(ソーセージ)やキクラゲといったお土産を手に、約21時間かけて、吉林省長春市から、娘が働く江蘇省蘇州市へ向かっていた。王さんらは蘇州で春節を過ごすのだという。新華社が伝えた。

王さんは「春運期間に『逆張り移動』するのは今回が初めて。娘は仕事が忙しく、私たちは定年退職して時間があるため、蘇州で春節を過ごすことにした。『逆張り移動』なら混雑を避けられるし、春節期間中に観光スポットを巡ることもできる」と話す。

以前は「お金があってもなくても子供が帰省して春節を過ごす」というのが一般的だったが、「子供が働いている都市に行って春節を過ごす」という人も増え、「春運」という年間を通じて最大規模となる移動において、こうした逆張り移動が新たな風潮となっている。

通信キャリアのデータ分析によると、2024年の「春運」期間中に移動した中国の60歳以上の高齢者は前年同期比で約30%増だった。子供が働いている都市で「一家団欒」を楽しむという高齢者が増えていることが分かる。出発地は四川省や河北省、湖北省、湖南省などが多く、目的地は北京市、上海市、広東省広州市、広東省深セン市、浙江省杭州市といった大都市が多かった。

以前なら、中国の若者が帰省して春節を過ごすというのは、生まれ故郷に対して深い思い入れがあるほか、高齢者が長時間かけて移動するというのは体力的にも厳しく、経済的にも難しいといったケースが多かった。しかし、今では医療環境が改善されているほか、都市部と農村部の経済格差も縮小している。そして、中国の3億人の高齢者、特に農村部や小都市に住む高齢者の生活水準と消費能力が目に見えて高まっているため、こうした高齢者の逆張り移動を可能にしていると言えるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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