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新疆の7歳女児は浙江省の「お母さん」3人の献身的なサポート受け、病を乗り越えた。
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浙江大学医学院附属児童病院の病室で15日午前8時、新疆ウイグル自治区出身のウイグル族の女の子、瑪依熱・艾力西木ちゃん(7)が窓際に置かれた水槽の中にいるカメに別れを告げていた。
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入院して治療を受けていた137日の間に、艾力西木ちゃんは幾多もの苦難を乗り越えたほか、趙文婷医師、楊麗君医師、単佳妮看護師長とも仲良くなった。艾力西木ちゃんはこの3人を「お母さん」と呼んで慕っている 。
浙江大学医学院附属児童病院の心不全に対する機械的循環補科の主任助手である楊医師は2024年5月、新疆ウイグル自治区における治療ボランティア活動に参加し、その時に、現地の病院と自治区民に心不全を患う子供を対象とした浙江大学医学院附属児童病院の支援計画を紹介した。
新疆ウイグル自治区アクス地区拜城県出身の艾力西木ちゃんは2024年6月末、現地の病院で拡張型心筋症と診断され、7月にウルムチ児童病院の集中治療室(ICU)に緊急搬送された。そして、約1カ月間治療を受けたものの、病状がなかなか好転しなかった。
艾力西木ちゃんは9月1日、両親に付き添われ、約4000キロ離れた浙江大学医学院附属児童病院に来て「最後の望み」をかけた治療を始めた。
「病院に到着した時、艾力西木ちゃんは心不全の末期症状が出ていた」という。1秒でも早く治療を始めるために、病院は「グリーンチャンネル」を設け、関係する全ての科の専門家を集めて診察を行った。
艾力西木ちゃんがICUで過ごしていた間、楊医師は心不全治療を強化して、人工呼吸器を外し、体外式膜型人工肺(ECMO)を装着するなど、一時も気を抜くことなく、治療に専念した。
9月13日、病院の舒強教授率いるチームは、艾力西木ちゃんに、小児用植込み型補助人工心臓(VAD)であるJarvik2015を移植する手術を行った。Jarvik2015の移植手術は中国では初めてのことで、中国でVAD移植手術受けた患者としては、艾力西木ちゃんは最も若く、体重が最も軽い患者となった。
しかし、人工心肺装置(CPB)から離脱してから間もなく、艾力西木ちゃんは深刻な肺高血圧症を発症し、非常に危険な状態に陥った。
楊医師は「艾力西木ちゃんに再びECMOを装着することになった」と振り返る。そして、彼女の命を救うために、楊医師率いるチームは24時間態勢で看護し、ECMOとVADのサポートの下、艾力西木ちゃんはICUに移された。そして、術後3日目に、ECMOが外され、10日目に艾力西木ちゃんは、普通病棟に移された。
艾力西木ちゃんの両親が、経済的な心配をしなくてすむよう、医療関係者は自発的に西木ちゃんために寄付を募ったほか、15万元(約300万円)の特別基金による支援も申請した。浙江省婦女・児童基金会は艾力西木ちゃんのために専用アカウントを開設し、民間から82万元(約1640万円)以上の寄付が集まった。また、病院も両親に無料で宿泊できる場所を提供したほか、ウイグル語が話せるボランティアを手配して、「言葉の壁」を解決し、艾力西木ちゃん一家が杭州で安心して治療を受けることができるようサポートした。
体が弱い艾力西木ちゃんは当初、飲み込む力すらほとんどなかったという。単看護師長は「食べても飲み込めないので、ミルクを飲んで栄養補給をした。ストローも使えないので、スプーンで1さじずつ口元に運んで飲ませた。わずか50ミリリットルの牛乳を飲むだけでも、とても時間がかかった」と振り返る。
食事のほか、歩行訓練も必要となった。艾力西木ちゃんの術後のリハビリを担当していた趙医師は毎日回診の際に歩行練習を一緒にしたという。
最初はベッドの上で立つ練習しかできなかったが、ベッドから下りて支えてもらいながら立てるようになり、さらにベッドの周りを支えてもらいながら歩けるようになっていった。そして、術後20日くらいたつと、艾力西木ちゃんは自分でベッドから下りて、歩こうとするようになったという。
2024年10月11日、浙江の「お母さん」3人が見守る中、艾力西木ちゃんは7歳の誕生日を1日前倒しで祝った。
12月2日、移植用の心臓がついに届いた。移植手術は大成功し、艾力西木ちゃんは隔離病棟に移されてリハビリを受けた。艾力西木ちゃんの様子を毎日見に行ったという楊医師は、「病室の入り口まで来ると、艾力西木ちゃんがきょろきょろしながら私を待っていたということが何回かあった」と笑顔で振り返る。
顔色がどんどんよくなっていった艾力西木ちゃんは、体重も少しずつ増え、単医師は「艾力西木ちゃんは本当によく頑張った。少しの間に体重が何キロも増えた」と充実感に浸った。
艾力西木ちゃんの父親・艾力西木・吾斯曼さんは、「新疆は僕たちの生まれ故郷。杭州は僕たちの第二の故郷。ここの政府や病院など、たくさんの方々のお世話になり、本当に感謝している」と語る。
1月15日正午、退院手続きを終えた艾力西木ちゃんは両親と共に病室から出て、みんなに別れを告げた。そして、艾力西木ちゃんが退院すると聞いて、たくさんの医療関係者が見送りにやって来た。
楊医師は「家に帰ってからも、何も心配いらないよ。ちゃんと連絡してあるから」と言葉をかけ、艾力西木ちゃんの手をしっかりと握りしめた。
単看護師長も「これは艾力西木ちゃんの薬。多めに準備しておいたから」と話しながら、薬を両親に渡していた。
趙医師は涙があふれる目を擦りながら、笑顔で艾力西木ちゃんに手を振り、エレベーターまで送った。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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