細田守監督の傑作アニメ「時をかける少女」の核心的なメッセージ―中国メディア

Record China    2025年1月26日(日) 22時0分

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24日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本のアニメ映画「時をかける少女」について言及した記事が掲載された。写真は「時をかける少女」。

2025年1月24日、中国のポータルサイト・捜狐に、日本のアニメ映画「時をかける少女」について言及した記事が掲載された。

記事はまず、「もし、あなたに時を超える機会が与えられたとしたらどうだろうか。過去に戻りたいと思うだろうか?人生の分岐点となったあの日に戻り、自分の行動を改め、過ちを償い、そしてその人と再びやり直したいと思うだろうか?もちろん、それが現実に実現することなどあり得ない幻想であることは誰もが理解している。だが、映像の世界ではそれが可能になるのだ」とした。

その上で、「タイムトラベルは、SFジャンルにおいて永遠のテーマである。この50年の間、世界中で数多くの優れたタイムトラベル映画が生み出されてきた。例えば、名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や、一世代の子ども時代の思い出となった『時をかける少女』、失恋時に必見の中国映画『李献計歴険記』などがその代表例である。これらの物語は奇想天外な設定の表面に、時間や運命にあらがおうとする多くの人々の切なる願望や想像を隠し持っている。本記事では、そんなタイムトラベル作品の中の名作を紹介したい。それは『宮崎駿監督の後継者』と称される細田守氏が監督を務めた青春ラブストーリーで、06年公開のアニメ映画『時をかける少女』である」と述べた。

記事は同作の内容について、「主人公は高校生2年生の紺野真琴(こんのまこと)。性格は明るく元気だが、少々おっちょこちょいな一面があり、トラブルを招くことも少なくない。真琴には、同じクラスの間宮千昭(まみやちあき)と津田功介(つだこうすけ)という2人の親友がいる。3人は放課後になるとよく一緒に過ごし、楽しい日々を送っていた。しかし、ある日予期せぬ出来事から、真琴は時を超える能力を手に入れる。その力を得た真琴は、興奮しながら頻繁に能力を使い始め、自分の過ちを取り戻そうとする。ところがある日の放課後、千昭が突然真琴に恋心を告白する。それに動揺した真琴は、その場から逃れるために時を超える力を使ってしまう。真琴は、自分が千昭や功介のどちらかと恋愛関係になることなどなく、3人の友情はこれからも変わることなく続くものだと考えていたのだ」と説明した。

そして、「徐々に、真琴は時をかけることの結果が必ずしも美しいものではないことに気づき始める。時をかけるたびに、周囲の人々や出来事に不可逆的な変化をもたらし、善意で行った行動が裏目に出ることもあれば、他人を傷つけてしまうこともあった。最も真琴を悩ませたのは、千昭との距離が次第に広がっていくことだった。さらに、真琴は自分の腕に浮かび上がる数字が時をかけることのできる回数を示していることに気づいた。その数字は減少する一方であり、真琴は時をかける際に慎重にならざるを得なくなった。友情と恋愛のはざまで、真琴はどのような選択をするのだろうか」と言及した。

記事は、「『時をかける少女』は、これまでも多くリメイクされたタイムトラベル作品だ。65年に小説家・筒井康隆氏が発表して以来、約60年間にわたり、9つの映像化作品が生まれている。特に有名なのは、83年の映画版、94年の内田有紀主演のテレビドラマ版、そして今回紹介する06年のアニメ映画版だろう。アニメ映画版が同シリーズの中で最も高い評価を得たのは、ストーリーに大幅な改変を加えた点にある。登場人物の性格や特徴を調整し、コメディー要素を多く取り入れることで物語の魅力を高めたのだ」と評した。

また、「物語の核心はもはや『時をかけること』ではなく、『時をかけることで変わってしまったあなたと私』である。多くのタイムトラベル作品は、過去に戻ることの肯定的な価値を強調しがちであるが、同作では時をかけることがもたらす不可逆的な影響や変化、特にその負の側面が強調されている。過去に戻り、運命を変えることは本当にすべてがうまくいく保証なのだろうか?泥沼から抜け出そうとして、さらに深い泥沼にはまる可能性はないのだろうか?」と問いかけた。

そして、「主人公の真琴は、嫌な出来事や直面したくない問題から逃げるために何度も時をかけ、他人の感情をもてあそぶような行動を取る。しかし、そのたびに現実と向き合う勇気を失い、危うく自分の本当の恋愛をも見過ごすところだった」と指摘し、「黒板に書かれた『Time waits for no one(時は待ってくれない)』こそが、同作の核心的なメッセージである。真琴にとって時をかける能力の最大の意味は『今目の前にいる人を大切にすること』、『今目の前にあることを全力でやること』を学ぶことだった。何度も『やり直し』を考えるのはやめるべきで、今この瞬間を生き、前を向き、振り返らずに進むべきなのである」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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