中国が開発した「DeepSeek」、一体どこがすごいのか―独メディア

Record China    2025年1月28日(火) 18時0分

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27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国企業が開発した低コストなAI言語モデル「DeepSeek」について紹介する記事を掲載した。写真はDeepseek。

2025年1月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国企業が開発した低コストなAI言語モデル「DeepSeek(ディープシーク)」について紹介する記事を掲載した。

記事は、中国のAIスタートアップ企業である深度求索(DeepSeek)が27日に2つの新しいAI言語モデル「DeepSeek-R1-Zero」と「DeepSeek-R1」を発表したと紹介。同社の発表内容として、これらのモデルは一部のベンチマークテストで卓越したパフォーマンスを示し、その性能はOpenAIのo1正式版に匹敵する一方で、価格はo1の数十分の一であること、オープンソース形式で世界中の開発者に公開されていることを伝えた。

また、DeepSeek-R1は従来の大規模言語モデル(LLM)とは異なる「模擬推論」と呼ばれる手法を採用し、人間による思考の連鎖を模倣して多段階の論理的推論を通じて問題を解決すると説明。このプロセスは典型的な言語モデルよりも時間がかかる一方で、数学や物理学、自然科学の分野におけるタスク処理において、結果の精度を大幅に向上させることができるものだと解説した。

さらに、DeepSeek-R1が6710億パラメータを含む最上位バージョンに加え、15億から700億のパラメータ範囲を持つ複数の簡易バージョンも提供しており、最小バージョンはノートパソコン上でも動作可能だと伝えたほか、OpenAIのo1が100万トークンの生成に60ドル(約9300円)かかるのに対し、DeepSeekはわずか2.19ドル(約340円)で済むと指摘。Scale AIの創設者であるアレクサンダー・ワン氏が「DeepSeekは米国に警鐘を鳴らすものだ」と述べたほか、DeepSeekの急速な台頭に伴ってチップ製造大手エヌビディアやソフトバンクなどの日米の主要テクノロジー企業の株価が下落したと伝えている。

記事は、DeepSeek−R1のリリースについて「米国政府が中国へのAI技術輸出規制を強化している時期に行われた。DeepSeekの成功は、中国企業がその成功を阻む障害を克服しつつあることを示している」と評した上で、中国政府が2030年までにAI技術の世界的リーダーとなる目標に向けて今後数年間で数百億ドルを投じて業界を支援する計画であり、中国では現在DeepSeekやアリババ、Moonshot AIなどがすでにOpenAIのo1に匹敵するとされるモデルを発表していると紹介。OpenAIなどからは、中国のモデルが将来的に米国を追い越す可能性があるとの危惧が出ているとした。

一方で、DeepSeek-R1は基本的な設定において中国特有の制約を受けていると指摘。中国のインターネットサービスに関する規定によると、AIシステムは「社会主義の核心的価値観」を反映する必要があり、DeepSeekも百度の「文心一言」(Ernie Bot)などと同様に政治的に敏感な話題に制限が設けられているため、そうした話題について尋ねられると、「他の話題について話しましょう」と提案する仕組みになっていると説明した。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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