Record China 2025年2月3日(月) 10時0分
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低迷する中国の株式市場で、政府の要請を受けて新たな資本主義の潮流が生まれている。相場の回復を待ちくたびれている投資家に対し企業が高い配当を実施しているのだ。写真は上海証券取引所。
低迷する中国の株式市場で、政府の要請を受けて新たな資本主義の潮流が生まれている、とロイター通信が伝えた。相場の回復を待ちくたびれている投資家に対し、企業が過去最高の自社株買いと高い配当を実施しているのだ。
ロイター通信によると、これは中国における株式市場文化の変化であり、日本で進行中のコーポレートガバナンス(企業統治)改革と同様に、株主への利益還元が脚光を浴び始めた、と投資家はみている。中国株の配当利回りは3%前後と、2016年以来の高水準に達した。
BNPパリバのアジア太平洋地域株式およびデリバティブ戦略部門責任者、ジェイソン・ルイ氏は「中国の規制当局と政策当局者は株主還元の文化を創出しようとしている」と解説。「成功すれば資本市場の構造が変化するだろう。すでに初期の兆候がいくつか見られる」と語った。
主要株価指数のCS1300指数はここ数年低迷しており、21年以降で27%下落した。この間、米国のS&P500 種総合指数は65%上昇している。中国の株式時価総額はこの10年間、11兆ドル(現レートで約1700兆円)前後で横ばいのままだ。
不動産業の債務問題、デフレ圧力、大規模な景気刺激策の欠如、地政学的な緊張が市場心理を悪化させ、外国からの投資の流出を引き起こしている。トランプ米大統領が関税をちらつかせていることも懸念材料だ。
昨年9月に中国政府が市場活性化の意欲を示した後でさえ、株価には勢いがない。CS1300指数は最初の景気刺激策発表後の2週間で40%上昇したが、その規模と実施ペースに失望が広がり、今では上昇分の半分が失われた。
規制当局のデータによると、中国企業が24年に支払った配当は合計2兆4000億元(約50兆4000億円)、自社株買いは1476億元と、いずれも過去最高に達した。
中国証券監督管理委員会(CSRC、証監会)の呉清主席は22 日、昨年12月と今年1月に310社を超える企業が計3400億元以上の配当金を支払うとの見通しを示した。前年同期に比べて企業数は9倍、金額は7.6倍だ。
フランクリン・テンプルトンの中国株式ポートフォリオマネージャー、ニコラス・チュイ氏は「中国は決して全般に配当利回りの高い資産クラスではなかった。常に成長志向の投資先と見なされていたからだ。しかし、今では成長と利回りを兼ね備えた絶妙な立ち位置にあると思う」と話した。
チュイ氏のポートフォリオにある株式の約3分の2は現在、配当利回りが2%以上だ。同氏は「私が意図的に配分しただけでなく、市場全体の利回りが上がっている」と説明し、「文化の変化だ」と指摘した。(編集/日向)
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