Record China 2025年2月4日(火) 6時30分
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中国では大量出現した古い街並みを再現した観光地の多くが倒産の危機にあるという。独自性を打ち出せないために、観光客が魅力を感じないことが原因とされる。写真は累計赤字が117億円にも達した「大庸古城」。
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中国湖南省にある著名な観光地の張家界の運営会社が存亡の危機にある。中国のニュースサイトである捜狐が伝えた。
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張家界観光区を所有する張家界観光集団は2024年12月16日、事業再編準備の進展を説明する公告を発表した。同社は過去4年間に累計7億元(約150億円)の赤字を計上した。24年には上半期だけで赤字額が6116万元(約13億1000万円)に達した。事業の中でも状況が特に悪かったのは大庸古城の運営で、赤字額は6438万元(約13億8000万円)だった。
大庸古城は24億元(約514億円)を費やして建設され、文化をテーマとする観光施設として張家界観光の目玉になると期待された。しかし21年の試験営業以来、毎年赤字を繰り返して現在までの3年半の累計赤字は5億4700万元(約117億円)に達した。
大庸古城の主な出費には巨額の減価償却、支払利息及び社債利息、不動産税などがある。大庸古城の入場チケットは24年上半期に2300枚しか売れなかった。つまり1日平均で十数人の観光客しか訪れなかったことになる。歴史的な古い街を再現した大庸古城という巨大施設は、ほぼ「ゴーストタウン」の状態だ。
大庸古城は特殊な例ではない。中国各地には「人工古城」と呼ばれる古い街を模倣した施設が建設されたが、多くの場合には大庸古城に似た苦境に直面している。国家発展改革委員会は18年に「特色ある小鎮」の評価をして「全国特色ある小鎮」403カ所を「特色ある小鎮」に分類替えし、問題ある419カ所は閉鎖または対策が取られた。なお、「人工古城」とは完全に新たに作られた施設だけなく、実際に長い歴史と文化の背景を持つ街を観光客誘致のために改めて整備した場合にも使われる。
企業情報などを扱う天眼査によると、多くの「人工古城」の開発運営会社は消え、本物の歴史的価値がある古い街の開発も、業者の撤退で停滞している場合がある。
「人工古城」の設立ブームは浙江省北部の烏鎮の成功で火が付いた。1990年代末には江蘇省の周荘鎮など、他にも成功事例が出現し、中国国外からの観光客も集まるようになった。
烏鎮モデルの成功は全国各地で同様の取り組みに乗り出す意欲を引き出したが、烏鎮に続こうとした「人工古城」のほとんどは独自性と文化的遺産に欠けており、画一化が深刻で、観光客を引き付けることが困難だ。
統計によると、中国には2800カ所以上の開発中または開発済みの「人工古城」があるが、実際に歴史と文化の価値を持つ場所は312カ所だけだ。大規模な「人工古城」建設は観光資源の過剰をもたらしただけでなく、多くの「人工古城」は特色を打ち出せず効果的な運営管理ができずに衰退した。
逆に成功事例を見ると、さまざまな工夫をしていることが分かる。例えば、烏鎮は古建築で観光客を引きつけるだけでなく、演劇祭の開催や美術館の開設などを通じて、他の場所では複製できない文化的価値を自らに追加した。
多くの「人工古城」の失敗の「そもそも論」を言えば、観光客は別の場所と似たような古建築を見学したり、他の場所と似たような「ご当地グルメ」を味わうために大金を投じたいとは思わないということだ。「人工古城」が成功するためには、他の場所では体験できない唯一無二の「ご当地の特徴」を構築することが不可欠だ。(翻訳・編集/如月隼人)
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