2025年2月12日、韓国・MBC NEWSによると、韓国の現職検事長が検察内部のネットワークに「憲法裁判所は日本統治下の日本人裁判官より劣る」と批判する文章を投稿し、物議を醸している。

春川地方検察庁のイ・ヨンリム検事長は同日、検察内部のネットワーク「イプロス」で憲法裁判所を批判する際、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領を安重根（1909年に初代韓国統監の伊藤博文を暗殺した独立運動家）になぞらえた。

イ検事長は「日本統治下の日本人裁判官は安重根義士が『言いたいことは全て言った』と言うまで主張に耳を傾けた」「最終陳述は1時間30分にわたって行われ、これが私たちの知る安義士の『東洋平和論』の内容だ」とした上で、「憲法裁判所のムン・ヒョンベ裁判官は証人尋問後に3分間の発言の機会を求めた尹大統領の訴えを黙殺した」「憲法裁判所の態度は日本統治下の日本人裁判官より劣る」などと主張した。

また、イ検事長は「現在の憲法裁判所は一部の裁判官の偏向性の問題により資質が疑われている」とし、「誰かの利益のために誰かを犠牲にしているのではないのなら、納得できる答えを提示できなければならない」とも指摘したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「日本統治下で命を捧げた安義士を持ち出すとは。厚顔無恥。気分悪い」「国憲を乱す目的で違憲、違法な非常戒厳令を出し、内乱の首謀者の疑いで起訴された尹大統領の弁論を、安義士の弁論と比較すること自体が不適切」「尹大統領が誰かのために犠牲になっていると考えているの？自業自得だよ」「こんな人が検事長だなんて、検事たちの恥」「日本の検察庁に送ろう」「公務員は政治的中立を守らなければならない。うかつに発言したら処罰されることもあるから気をつけて」など、批判の声が殺到している。（翻訳・編集/堂本）