中国のポータルサイト・捜狐に、お薦めの日本アニメとして「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を紹介した記事が掲載された。

記事はまず、「数ある日本アニメの中でも、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』はその深い感情描写と繊細な物語によって魅力が際立っている。同作の物語の背景は独特であり、『自動手記人形』という職業の存在が非常に興味深い。物語は、ヴァイオレット・エヴァーガーデンという少女を中心に展開され、かつて戦争によって感情と両腕を奪われた『道具』だった彼女が、戦後『自動手記人形』として、人々との心をつながりを手紙の代筆業を通じて築いていく」と紹介した。

続けて、「ヴァイオレットの成長は同作の魂である。最初は感情を理解できず、ただ機械的に任務を遂行していた彼女が、一通また一通と手紙をつづるうちに、『思い』、『後悔』、『感謝』、『祝福』など、さまざまな感情を少しずつ感じ取り、それを伝えられるようになっていく。他者の心を代弁しながら、彼女自身もまた、殺りくの道具から感情を持つ人間へと目覚めていくのだ」と説明した。

また、「脇役たちも単なる添え物ではない。それぞれの過去や葛藤が物語をより豊かなものにしている。病に伏した娘に対する父親の思いや戦争で息子を失った遺族の癒えぬ悲しみなど、そのどれもが胸を打つ」と論じた。

さらに、「同作の芸術性は極めて高い。制作を担当した京都アニメーションは、卓越した美的感覚と繊細な物語の語り口で『感情の伝達』を見事に具現化している。タイプライターを打つ際にヴァイオレットの金属の指がキーと触れ合う描写、四季折々に変化する湖や山々の風景など、そのすべてが、感情に温かみを与えている」と評した。

そして、「同作の核となるテーマである『愛とコミュニケーション』は、感情は心を込めて感じ取り、表現する必要があること、そして手紙は人の心をつなぐ誠実な媒介であることを思い出させてくれる。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は視聴者の心を深く揺さぶり、感情の複雑さと美しさを共感させ、感動と涙の中で、心を浄化してくれるような作品だ」と結んだ。（翻訳・編集/岩田）