Record China 2025年2月21日(金) 7時0分
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米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は20日、外資が引き続き中国から離れている現状について報じた。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は20日、外資が引き続き中国から離れている現状について報じた。
記事は冒頭、「中国の対外直接投資(FDI)の純流出が過去最高を記録し、国際的な関心を集めている」とし、「中国政府は外資流出を食い止めようとしているが、米中貿易戦争の激化、ビジネス環境の悪化、安全保障審査の厳格化などの要因により、外資の回帰の見通しは依然として暗い」と論じた。
米ブルームバーグの報道によると、2024年の中国のFDI純流出は1680億ドルに達し、1990年の統計開始以来、最高水準を記録。同時に、中国企業の対外投資総額は1730億ドルに達しており、ブルームバーグは「こうした資本流出の傾向は、米中貿易戦争が再燃すればさらに悪化する可能性がある」と指摘している。
外資撤退が深刻化する中、中国国務院はこのほど「2025年外資安定化行動計画」を審議・承認。「より実効性のある対策を講じ、既存の外資を安定させ、新たな外資を拡大する」と強調した。
記事によると、台湾・致理科技大学国際貿易学科の張弘遠(ジャン・ホンユエン)副教授は「21年以降、中国のFDIはほぼ毎年9~11%のペースで減少している」と指摘。「1期目のトランプ政権時代に始まった米中貿易戦争がすでに一部の外資企業にサプライチェーンの脱中国を促していた。さらに、ここ2年間でコロナ後の中国経済の回復が思うように進まなかったこと、(中国)国内消費が低迷したこと、ロシア・ウクライナ戦争による欧州経済低迷が中国の輸出に悪影響を及ぼしたことなどが、外資の中国離れを加速させた」と分析した。
張氏はまた、「ここに来て中国政府がようやく外資誘致に動いたのは、『トランプ2.0』を見据えた準備。関税戦争による景気後退や外資のさらなる流出に備えている」としたほか、「中国企業が家電や自動車などの分野で輸入品の『代替』を担うようになったことも、外資の中国市場での生存空間を狭める要因になっている」との見方を示した。
豪モナッシュ大学ビジネススクール商学院の史鶴凌(シー・ハーリン)教授も「中国は外資企業の進出を許可し、その技術やノウハウを吸収した上で、最終的に国内企業に置き換える戦略を取っている。電気自動車(EV)市場では、中国企業が急速に市場を席巻した結果、外国の投資がストップするケースが見られる」と指摘した。
また、「中国政府が融資や政策面で国内企業に優遇を与えるため、外資企業は中国で事業を継続することが困難になっている」とし、在中国米国商工会議所が1月下旬に発表した「中国ビジネス環境調査報告」では、32%の米国企業が「市場参入や公共調達で国内企業と比べて不公平な扱いを受けている」と回答したことにも言及。「中国を最優先の投資先としない」と回答した米国企業の割合も21%と、20年の10%、21年の11%から倍増していることを紹介した。
米国在住の経済学者・蔡慎坤(ツァイ・シェンクン)氏は激烈な競争のほか、政治的環境も外資が中国市場への投資を敬遠する要因になっているとし、「どの法律に違反するか誰も分からない。特に国家安全関連の法規制は厳格化しており、金融業界でも外資企業でも、監督がますます厳しくなっている」と述べたという。
一方で、外資企業にはまだチャンスがあるとの見方もあるという。台北に拠点を置く中華民国全国工業総会の中国事業部長・黄健群(ホアン・ジエンチュン)氏は「中国経済がいくら低迷しても、やはり世界第2位の経済大国であり、毎年の経済規模は依然として大きい。実際、この2年間、台湾企業の間では競争相手が減ったことで、むしろビジネスチャンスが増えたという声も聞かれる。中国市場の状況は動的に変化している」と指摘した。
黄氏はさらに、「欧州には『トランプ氏の強硬な関税政策と比べて、今の中国の方が市場参入、調達、2国間貿易協定の面で欧州に対して柔軟である』と考える企業も出てきている」とし、欧州の一部企業にとっては、中国市場の見通しは外部で言われているほど悲観的ではないとの見解を示した。(翻訳・編集/北田)
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