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「最強の野菜スープ 活用レシピ」が中国で高く評価された理由は、伝統的な発想と合致しており、さらに科学面を担当した執筆者である前田氏に全幅の信頼を置けたこと、さらに実用面でも優れていたことと考えられる。
日本でベストセラーになった本が中国でも大きく注目されることがある。本シリーズでは、書籍の輸出入を手がける江蘇省新図進出口社の資料などを基に、中国で翻訳出版されてよく売れた日本の書物を取り上げ、評判になった理由や中国人読者が共感した点などをご紹介する。
今回は日本で「最強の野菜スープ 活用レシピ(抗がん剤の世界的権威が伝授!)」(前田浩、古澤靖子著)を取り上げる。同書は前田浩氏が単独で執筆して2017年に出版した「最強の野菜スープ(抗がん剤の世界的権威が直伝!)」で始まったシリーズ中の1冊だ。中国語版は「驚人的蔬菜湯(驚きの野菜スープ)」の書名(以下、中国語版「驚きの野菜スープ」)で、天津科学技術出版社から22年に発行された。
中国では食と健康の関係を重視する人が昔から多かった。中国の伝統医学の概念では、食材の性質を「寒」や「熱」などに分類する。例えば緑豆は「寒」で、体を冷ます性質があるので冬には避けるようにする。伝統医学に基づいて多くの食材の性質を紹介する書物は1980年代にはすでに普及していて、多くの家庭で食事を作る際の参考にされた。「最強の野菜スープ」シリーズが紹介する「食べ物は健康に大きく関係する」は中国人にとって新奇な発想ではなく、むしろ伝統的な考え方と合致していた。
同書が受け入れられたもう一つの理由は前田浩氏が著者の一人であることだ。中国人は権威ある研究者が発信する情報は比較的抵抗感なく信じる場合が多い。専門家としていいかげんな情報は発信しないだろうと考えられるからだ。もちろん、一般人には専門家の言説の正しさを確認することができない。しかし書物の場合、じっくりと読んでみれば、どれだけ真摯(しんし)な態度で書かれているか分かってくるものだ。中国語版「驚きの野菜スープ」の書評は科学面担当の執筆者である前田氏を「抗がん剤の研究開発に携わってきた専門家」と紹介し、「(同書が)中国の読者に支持される主な理由は、野菜スープの多様性と栄養価について詳細に解説し、豊富なレシピを提供している点、そして著者の深い医学的背景による信頼性の高さにある」などと評価した。
豊富なレシピについては、さまざまな食材の組み合わせを紹介しており、例えば「野菜スープに肉類、貝類、エビなどを加えることで、たんぱく質を補いながら風味を向上させることもできる」と紹介し、「読者は自分の好みやニーズに応じておいしく健康的な野菜スープを作ることができる」と指摘した。
中国語版「驚きの野菜スープ」が中国で高く評価された理由は、伝統的な発想と合致しており、さらに科学面を担当した執筆者である前田氏に全幅の信頼を置けたこと、さらに実用面でも優れていたことと考えられる。(翻訳・編集/如月隼人)
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