「ウナギとサーモン」から見る消費拡大の新たな可能性―中国

人民網日本語版    2025年2月25日(火) 9時30分

拡大

中国市場の活力をどう見抜くか?国産ウナギと輸入サーモンという「2種類の魚」の背景にある双循環が市場を観察する上で興味深い視点を提供してくれる。

中国市場の活力をどう見抜くか?国産ウナギと輸入サーモンという「2種類の魚」の背景にある「双循環(国内と国際的な2つの循環)」が、市場を観察する上で興味深い視点を提供してくれる。

一つ目の魚は四川産のウナギだ。四川省にはウナギの養殖拠点があり、成都市には加工企業がある。ウナギは32の工程を経て加工され、国際定期貨物列車「中欧班列」などで世界各地の食卓へ届けられる。今や「四川ウナギ」の年間生産量は1300トン以上、年間加工量は800トン以上に達し、その90%以上が海外に輸出されている。

天然漁獲への依存から淡水養殖、地元での加工へと発展し、中国はすでに世界最大のウナギ養殖・輸出国となっている。これは国内の安定した水質や豊かな水源といった良好な自然環境に加え、養殖と加工、国内販売と輸出の連携が奏功した結果だ。今年、こうした養殖拠点は生産量と品質をさらに高め、養殖から加工、輸出に至るまで食品の安全性を確保する計画だ。

二つ目の魚はノルウェー産サーモンだ。中国東方航空のコールドチェーンによる初の欧州生鮮定期チャーター便がこのほど開設した。ノルウェー産サーモンは約8000キロメートルの距離を「飛行」し、約11時間半かけて湖北省鄂州市に到着。さらに国内の空と陸のコールドチェーン・ネットワークを経由して、迅速に各地へ配送される。今年の春節(旧正月、今年は1月29日)期間には、多くの消費者が産地直送のノルウェーサーモンを購入することができた。

統計によると、2024年のノルウェーから中国への海産物輸出量は前年比14%増の18万2000トンに達した。中国はすでにノルウェーの海産物輸出においてアジア最大の市場であり、世界で最も成長の速い市場となっている。この「最も速い成長」の背景には、14億人余りの巨大市場において消費の高度化が続いていること、勢いよく発展する現代化が絶えず新たな機会を各国に提供していることがある。

中国産のウナギが世界へと「泳ぎ出し」、ノルウェー産サーモンが中国へと「飛来」する。この市場の繁栄と互恵・ウィンウィンの物語は、中国がすでに世界経済に深く融け込み、国内と国際の循環が相互作用し、スムーズに運行する中で、経済成長の新たな空間を広げ続けていることを示している。

新たな成長空間の基盤は「国内」にある。中国経済の重要な特徴の一つは、内需主導型であり、内部で循環が成立することだ。中国は世界で最も成長性の高い消費市場で、この成長性は政策による支援と切り離せない。

自動車を例に挙げると、「両新」政策(大規模な設備更新政策と消費財の新品への買い換え政策)のおかげで、24年の中国における乗用車販売台数は前年比で5.8%増加した。これらの政策が国内の乗用車販売台数を200万~250万台押し上げたと各機関は試算する。これは、ガラスなど川上の原材料産業、自動化生産など川中の製造業、保険など川下のサービス業の活性化につながった。活力が圧力に勝り、機会が試練を上回る中、国内市場の法則を正しく把握し、内需の潜在力を深く掘り起こすことで、健全かつ持続可能な経済発展をより良く推進できる。

新たな成長空間の鍵は「流通」にある。国内の大循環の円滑化であれ、「双循環」の促進であれ、滞りを解消し、ペインポイントを取り除く必要がある。

地域レベルで見ると、雲南省や広西チワン族自治区は東南アジアに隣接する地理的強みを活かし、産業チェーンの緊密な連携や資源共有による協力を積極的に模索している。全体的に見ると、ルール、規制、管理、基準など制度型開放を着実に拡大し、国内市場の魅力を高め、より多くの外国企業が中国に「信任票」を投じるよう導いている。国内の大循環によって世界中の資源要素を引き寄せ、商品、資本、情報、知識の流れを低コスト・高効率で実現し、経済の内生的原動力と発展戦略の主導性を強化する。

外部の衝撃などの影響に直面するほど、「双循環」の価値が明確に見えてくる。中国はすでにグローバルな産業チェーンとバリューチェーンに深く組み込まれており、「あなたの中に私がいて、私の中にあなたがいる」が大勢となっている。この過程において、資本流動や産業移転は正常な現象だ。

産業の質を見てみると、中国から移転していく産業より中国に入って来る産業の方が高い。これと同時に、中国企業は積極的に海外進出を進めており、優れた製品、技術、設備、管理、サービスによって、国際社会から広く認められている。「双循環」の良好な相互作用の中で大勢を占めるのは協力・ウィンウィン、互恵・相互利益であり、いわゆる「外資撤退」や「経済的威圧」ではない。

メインストリームを見極め、大勢に順応し、小異を残して大同につき、相違点があることを認めた上で意思疎通と理解によって相違点を解消し、「自分に利益をもたらし、他者にも貢献する」発展を実現してこそ、互恵・ウィンウィンを実現できる。

統計によると、今年の春節連休中、中国は175の国と地域から前年比6.2%増となる延べ343万人以上のインバウンド観光客を受け入れた。海外メディアは、「中国市場の活況は25年の世界の観光業にとっても良いスタートとなるだろう」との見方を示した。

より開かれた中国は、両手を広げて世界を受け入れる。より質の高い国内の大循環とより高水準の国際的な循環を絶えず実現し、国内に活力を持ち、国外から助力を得る中国経済は今後もさらに発展していくことだろう。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

この記事のコメントを見る

noteに華流エンタメ情報を配信中!今回はワン・ホーディー特集!その魅力に迫ります。詳しくはこちら

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携