シンガポールメディアの聯合早報は25日、タイで昨年記録された詐欺の電話・ショートメッセージの数は過去最高の1億6800万件に上り、東南アジア地域におけるインターネット詐欺の規模の巨大さが浮き彫りになったと報じた。

データは詐欺電話対策に取り組む企業がまとめたもので、内訳は電話が3800万件、ショートメッセージが1億3000万件。総数は2023年比で112％増と2倍余りになった。

記事はまた、特殊詐欺の中心地は主にミャンマー、カンボジア、ラオスにあり、犯罪活動は中国人グループによって行われていると言及。「中国はこのところ、タイやミャンマー、カンボジアなどの国々と協力して越境犯罪の防止に取り組んでいる」とした他、「東南アジア地域では数十万人が犯罪グループに強制的に監禁され、詐欺や違法賭博などに従事させられている」という国連人権高等弁務官事務所の指摘を伝えた。

タイ政府もここ数週間、犯罪拠点があるミャンマーの一部地域への電力・燃料供給を停止するなど犯罪に対する取り締まりを強化しており、記事はさらにタイメディアの報道として、「タイとカンボジアは両国の国境地帯で活動する詐欺組織の取り締まりに向けた共同行動センターを設立する計画だ」とも説明した。

一方、ベトナム警察は24日、国境をまたぐマネーロンダリング組織を壊滅させ、ベトナム人21人を逮捕したと発表。組織はベトナムとカンボジアとの間で犯罪で得た7850万ドル（約117億円）を動かしたという。（翻訳・編集/野谷）