Record China 2025年2月27日(木) 19時0分
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22日、中国のポータルサイト・捜狐に、女性監督・山田尚子氏の新作アニメ映画「きみの色」が日本アニメの女性主人公の固定観念を打破したとする記事が掲載された。写真はきみの色。
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2025年2月22日、中国のポータルサイト・捜狐に、女性監督・山田尚子氏の新作アニメ映画「きみの色」が日本アニメの女性主人公の固定観念を打破したとする記事が掲載された。
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記事は、2024年上海国際映画祭で映画「きみの色」が金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞したことに触れ、「山田氏のアニメ作品は、人物の部分的な動きを通して心情を表現することを得意とし、従来の静的な時空を超えた『時間の魔法』を巧みに取り入れる。また、異なるメディア間で感覚を融合させる演出を好む傾向がある」と分析した。
その上で、「具体的に映画『きみの色』では、高校生・日暮トツ子(ひぐらしとつこ)の瞳に映る光の揺らめきが少女の胸の高鳴りを映し出し、裸足で床を踏みしめるかすかな震えが不安を伝える。こうしたセリフを使わずとも感情を共有できる表現手法は、彼女の初期作『けいおん!』にもすでに垣間見えており、『きみの色』はまさにその姉妹作とも言える作品である」と紹介した。
続けて、「もし山田氏のアニメ世界に一つのラベルを貼るとすれば、それは『流れる詩情』だろう。彼女は常に、少女たちの心の揺れをまるで呼吸する映像のように描き出す。『きみの色』は『感情の色が見える』という超現実的な設定を持ちながらも、現実以上に繊細な青春の断片を映し出している。山田氏にとって『きみの色』は、京都アニメーションを離れてからの初の長編映画である。同作は、彼女のこれまでの少女心理描写の精緻さを受け継ぎながらも、より自由で軽やかな作風を帯びている。『リズと青い鳥』における抑制された身体表現とは異なり、今回は『色彩』を主役に据えた」と説明した。
また、「トツ子の瞳には、他者の『内面の色』が映し出される。例えば、彼女が憧れる作永きみ(さくながきみ)は青色に輝き、それは『近づきたいが、触れればやけどしそう』な臆病な感情を表現している。影平ルイ(かげひらるい)がギターを弾く指先からほとばしる緑色は、反抗的な外見の裏に隠された純粋な情熱を描いている。そして、3人が初めて合奏した瞬間、三原色の光は練習室の天井で交差して銀河のようにきらめき、まるで不器用な青春そのものを宇宙が奏でているかのようだった」と評した。
さらに、「最も圧巻なのは、学園祭のクライマックスだ。劇中バンド ・しろねこ堂の演奏が高まり、観客席の何千もの色が花火のように舞い上がり、ついには空間全体を覆う純白の波となる。その瞬間、山田氏は色彩を通じて『共鳴』の究極的な表現を成し遂げた。この巧みな視覚表現は、おなじみの3人の再結集なしには成し得なかった。吉田玲子氏の脚本は、『感情の色が見える』という幻想的な設定を日常の細部に静かに落とし込んでいる。牛尾憲輔氏の音楽は、ピアノとシンセサイザーを巧みに組み合わせ、癒やしと孤独のバランスを絶妙に取っている。エンディング曲が流れた時、私はまるで自分がトツ子になったような錯覚に陥った。スクリーン内外で、私たちは皆、この色彩の奔流の中で世界への感受性を再び調整し直していたのだ」と論じた。
記事は、「『きみの色』が最も勇敢な挑戦は、おそらく女性キャラクターの再定義にある」と言及。「トツ子が無造作に跳ねたショートカットで、膝下丈のワンピースを着て廊下を駆け抜ける姿を見た時、私は山田氏が業界の古い慣習に向けてほほ笑んでいるのを感じた。この頬にそばかすを散らし、ふくらはぎがやや丸みを帯びた少女の姿は、日本の従来アニメにありがちな『完璧な女子高生』という固定観念を完全に打ち破ったのである」とした。
そして、「こうしたリアルへのこだわりこそが、『きみの色』を本物の『女性に優しい作品』にしている。同作は、思春期の女の子が抱える戸惑いや、成長の痛みを美化することなく、しかし常に温かな眼差しで描き出されている。そして『少女らしさ』とは、決して完璧な標本であることではなく、そばかすや汗、迷いを抱えながらも、前へと駆け出す勇気のことなのだと語りかけてくる」と強調した。
また、「『きみの色』は、音楽を『救済の鍵』として描いている。しろねこ堂が誕生する過程は、まるで繊細な心理療法のようだ。トツ子は仲間の色の変化を見ながらコードを調整し、きみはパンクの荒々しいリズムに乗せて家庭への怒りを解き放ち、ルイは即興のジャズで『優等生』のレッテルを跳ねのけようとする」と説明した。
記事は、「この映画には劇的なストーリーのどんでん返しはない。しかし、その絶妙な温度感は、私たちの心にそっと寄り添い、現代社会に生きる私たちの心のしわをやさしく伸ばしてくれる。山田氏の世界では、誰もが高校生に戻ることができる。ただし、今回は少しだけ違う。私たちはついに、自分だけの『色』で青春の意味や自分自身の在り方を優しく受け入れられるようになっているのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
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