「マグマオーシャンモデル」を立証、中国が月裏側サンプルの研究で新成果

CRI online    2025年3月1日(土) 22時0分

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中国地質科学院地質研究所イオンマイクロプローブセンターの主導で立ち上げられた共同研究チームは中国の月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取したサンプルの最新の研究成果を発表しました。

中国地質科学院地質研究所イオンマイクロプローブセンターの主導で立ち上げられた共同研究チームは2月28日、中国の月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取したサンプルの最新の研究成果を発表しました。関連の論文は国際的な学術誌「サイエンス」に掲載されました。

月の起源と進化を解明するため、世界の科学者はこれまで、月の表側のサンプル研究に基づき、月のマグマオーシャン(月形成初期に天体表面を覆ったとされる溶融状態のマグマ)モデルを構築してきました。同モデルは、月の形成初期に全体的な溶融が発生し、広範囲でマグマオーシャンが形成されたとしています。その後、マグマオーシャンの冷却・結晶に伴い、密度の低い鉱物が浮上して月の地殻となり、密度の高い鉱物が沈下して月のマントルとなりました。残留した溶融体には不適合元素(カリウム、希土類元素など特殊な微量元素)が濃縮され、月の地殻とマントル間のクリープ層になったとされています。

今回の研究では、月の裏側のサンプルを分析したところ、月の裏側にもクリープ層が存在し、また、月の裏側サンプルに含まれる玄武岩の成分が表側のものと似ていることが分かりました。これは、月の形成初期に月全体規模のマグマオーシャンが存在していたことを示しています。さらに、研究では、南極エイトケン盆地を形成させた衝突が月の初期マントルを改造した可能性があることも明らかになりました。

中国国家宇宙局は月サンプルの科学研究を進め、今後も月探査の成果を国際社会と共有する計画です。(提供/CRI

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