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シンガポールメディアの聯合早報は2日、日本の公衆トイレについてつづった聯合早報・国際新聞第2主任の文章を掲載した。写真は本州最北端に位置する岬の大間崎。
シンガポールメディアの聯合早報は2日、日本の公衆トイレについてつづった聯合早報・国際新聞第2主任の文章を掲載した。
文章には年越しに合わせて日本を旅したこと、帰国後は無意識のうちにシンガポールと日本の公衆トイレを比べ続け、常に「日本の公衆トイレは快適だった」との思いに至ることが記されている。
日本での具体的なエピソードとしては、「本州最北端の大間崎では強烈な北風が生理的欲求を呼び起こした。汚さへの心配からそこにある公衆トイレを使いたくなかったが、古いながらも非常に清潔で暖かく、中に隠れて出たくないほどだった」と紹介。岩手県宮古市の浄土ケ浜でも公衆トイレは家のトイレのように明るくて清潔だったといい、「2週間にわたる東北への旅で訪れた公衆トイレはどれも清潔で明るく、変なにおいもなかった。ほぼすべての個室に便座用の消毒液があり、アフターコロナ時代に安心できるものだった」などと述べる一方、シンガポールでは商業施設であれ会社であれ、どんなに清潔なトイレでも取り除くのが難しいにおいがあることに気が付いたとつづった。
文章によると、シンガポールの公衆トイレは30年前に比べると大きな進歩を遂げたが、過去10年余りはほぼこれといった改善が見られていない。2000年代初めに関連団体が推進した「トイレ革命」では少なくとも7割の公衆トイレの衛生レベルを三つ星以上に引き上げることが使命とされたが、昨年時点でまだ3%未満にとどまっている。文章はこれを「亀のようなスピード」と称した上で「もちろん日本の公衆トイレも最初からきれいだったわけではない。日本人も数十年にわたるトイレ革命を経験した」と続け、「日本の最初のトイレ革命は終戦後に始まり、第2の波はバブル経済時代だ」と指摘した。
文章はバブル経済時代の状況について「多くのメーカーが洋式トイレやスマート便座を発表し、住居、ホテル、商業施設、オフィスビル、駅などに次々と真新しい製品が導入されたが、公衆トイレの衛生レベルは依然としてばらつきがあった」と論じ、「その後、官民が公衆トイレの衛生状況を改善するために大量の資源を投入し、公衆トイレに関する厳格な条例も制定。これにより地元の人が誇りに思い、外国人がうらやむ公衆トイレが日本に出現し始めた」と伝えた。
また、「日本の公衆トイレさらには公共スペースの衛生レベルの高さは、日本人の文化と民族性とも関係している」と述べ、「日本人は神道を信仰しており、清浄は神道の最も重要な価値観だ」「多くの家庭は子どもが幼い頃から日常生活の中で清潔、整頓を保つよう求める」と言及。この他、「日本社会には集団意識や同調心理が存在し、人々は集団との一致に努める。自分の行動が集団から逸脱することを許さず、公共スペースをむやみに汚さないことはその一例だ」とも指摘した。
文章は最後に「実はシンガポールには公衆トイレの衛生レベルを引き上げる強力な手段がある」として「罰金」を挙げ、その上で「ただ、罰金だけでは不十分で、人々の行動を長期的に変えるには意識を変えることこそ必要だ」と力を込めた。(翻訳・編集/野谷)
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