テスラはこのほど、中国市場向けに新たなソフトウェアアップデートを開始し、「都市部オートパイロット支援」機能を導入しました。この機能はナビゲーションルートに従って車両を高速道路の出入口や交差点で誘導し、信号機を認識して直進、左折、右折、Uターンなどの操作を支援します。また、速度やルートに応じて自動で車線変更を行い、ナビゲーションを設定していない場合でも最適なルートを選択して走行することが可能です。

しかし、この「都市部オートパイロット支援」は、北米で提供されている「完全自動運転（FSD）」とは異なり、機能が制限されています。これは、中国の道路や交通規則に関するデータが十分に収集・学習されていないためです。このアップデートは主に2024年2月以降に出荷されたModel YやModel 3など、HW 4．0を搭載した車両の一部のユーザーに対して段階的に提供される予定です。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）は中国でのFSD導入に向けて当局との協議を行ってきましたが、データ収集や処理に関する課題が指摘されていました。中国のデータを海外に持ち出すことが制限されているため、現地でのデータセンター設立が検討されています。これにより、データ処理の効率化と現地適応性の向上が期待されます。

今回の「都市部オートパイロット支援」機能の導入は、テスラが中国市場での存在感を高めるための重要な一歩といえます。しかし、中国メーカーとの競争が激化する中、テスラがいかにして市場シェアを拡大し、ユーザーの信頼を獲得するかが今後の課題となります。（提供/CRI）