中国有人宇宙飛行事業の公式サイトによると、中国の宇宙ステーションは先ごろ、宇宙ステーション用の配管内検査ロボットの軌道上テストを順調に完了しました。同テストは配管環境に対するロボットの適応力や安全性を検証する目的です。

中国宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士らは事前に設置された複雑な模擬配管網の中でロボットの性能をテストしました。中国有人宇宙飛行事業のウェブサイトによると、テストの際、ロボットはさまざまな直径の直管、曲管、テーパー管をスムーズかつ的確に通過しました。

宇宙ステーションの配管は形が多様で直径の差異も大きいため、従来のロボットはこのような作業環境に適応することは難しく、作業中にロボットが動けなくなるリスクも高まります。配管検査ロボットが十分な柔軟性と適応性を持つことから、開発者はヒトデなどの海洋生物が持つ管足器官の運動メカニズムを参考にし、ロボットの足が配管の直径の変化に応じて速やかに長さを調整できるようにしました。また、ロボットの足部と配管壁との圧力をリアルタイムで制御し、ロボットの足部が配管壁と的確に接触するようにすることで、十分な前進力を得られるようにしました。

同ロボットの「スマートな頭脳」は全身のセンサー情報を利用して運動ソリューションを提供し、各関節の位置、速度、出力を調整して宇宙ステーションの配管内をスムーズに移動できるようにしています。テストでは、停電後もロボットを配管から引き出せることも確認されました。テスト中、中国有人宇宙飛行事業の地上管理センターのスタッフは、ロボットの運動状態をリアルタイムで観察し、取得したデータを分析して、今後のテストの根拠とすることができます。

中国の有人宇宙飛行船「神舟19号」の乗組員3人が昨年末に中国宇宙ステーションに到着して以来、さまざまなテストが実施されてきました。そのうち、地球外での人工光合成技術の実験における効率的なCO2変換と酸素再生技術を軌道上において世界で初めて検証したテストも含まれています。（提供/CRI）