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シンガポールメディアの聯合早報は4日、「タイはなぜ詐欺や人身売買の中継地になっているのか」とする記事を配信した。写真はタイ。
シンガポールメディアの聯合早報は4日、「タイはなぜ詐欺や人身売買の中継地になっているのか」とする記事を配信した。
1月に中国の俳優が偽のドラマ撮影に誘われてタイに渡り、その後行方が分からなくなって隣国のミャンマーで保護される事件があった。俳優はミャンマーで詐欺の訓練を強制されており、記事は「この事件がタイを訪れる観光客の安全に対する国際社会の強い関心を引き起こした」とした上で、タイ国立開発行政研究院の専門家が「観光業はタイ経済の柱の一つであり、観光業の発展を促すため政府は多くの国の観光客に対してビザ免除措置を取っている」と語ったことを伝えた。
記事はさらに、「他にも比較的安い生活費が外国人を引き付けている。タイで偽造パスポートを入手して不法滞在することは難しくなく、違法薬物や銃器を手に入れるのも簡単だ。こうした要素が犯罪グループに有利な条件を与えている」と言及。米デンバー大学の研究者が「移民政策、法執行、国境管理の緩さ、大勢の外国人の流入が犯罪者に隠れみのを与えている」と指摘したことも紹介した。
2022年に発表されたリポートによると、タイで活動する外国の犯罪組織の数は数百に上ると推定される。国境をまたぐ犯罪で最もよく見られるのは違法薬物や人身売買、密輸、マネーロンダリング、紙幣の偽造で、記事は「インドシナ半島の中央部に位置するタイはミャンマー、ラオス、カンボジアと国境を接し、地域の輸送の要となる一方、犯罪の重要拠点・中継地にもされている」と指摘。中国や香港、台湾が犯罪を厳しく取り締まったことで犯罪組織が東南アジアに移動し、ミャンマー、ラオス、カンボジア、フィリピンなどに拠点を設けたとも言及した。
記事はまた、「タイは観光客が多く、出入国が便利なため、犯罪組織はタイを人身売買の中継地としている。さまざまな手段を使って世界各地から人をタイに誘い込み、詐欺拠点に売り渡す」と指摘。「タイに犯罪を取り締まる法律はあっても執行は不十分だ」と述べ、前述のデンバー大学の研究者の「タイ当局の汚職、法の抜け穴、中央と地方の政策の不一致が法執行の効率に大きく影響している」との見方を伝えた。(翻訳・編集/野谷)
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