中国の「空飛ぶクルマ」産業が飛躍、市場規模は35年に21兆円超見込む―国営メディア

Record China    2025年3月8日(土) 12時0分

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中国の「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL産業が飛躍を実現している。2035年には国内の有人eVTOL市場規模は1兆元(約21兆円)を超える見通しだ。写真は有人eVTOL。

中国の「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)産業について、国営メディアは「0」から「1」への飛躍を実現している、と報じた。2035年には国内の有人eVTOL市場規模は1兆元(約21兆円)を超える見通しだ。

国営新華社通信によると、ドイツ高級車ポルシェ傘下の経営コンサルティング会社、ポルシェコンサルティングはこのほど、中国航空学会や中国汽車工程研究院、eVTOLメーカーの天翔科航空科技(上海)などの業界団体、業界大手企業と共同で「低空経済の新たな風に乗り、新たな質のモビリティー体験を思い切り楽しむ」と題する白書を発表した。

中国では23年下半期(7~12月)以降、中央政府と地方政府が低高度を飛ぶ有人・無人航空機を活用した経済活動「低空経済」とeVTOL分野に特化した政策を集中的に公表。耐空証明の取得や空域管理、インフラ整備を網羅する系統的な監督・管理の枠組みを構築した。

24年末に国家発展改革委員会低空経済発展司が正式に発足したことで、産業政策の制定と実施が一体的に推進される新たな段階に入り、政策の効果が持続的に表れ、国内の低空経済関連業界は一段と発展が加速している。

白書の推計によると、30年には中国の有人eVTOLの需要が年間1万2000台以上増加。応用場面は市内の通勤や都市間交通、個人移動、観光、医療・消防救援、警察業務・安全保障の6分野に広がる。

35年には新規需要が年間4万2000台とさらに拡大するほか、商業運用による売上高が3000億元を超え、完成機販売および川上サプライチェーン(供給網)の市場規模が6000億元以上、その他の関連サービスの市場規模も3000億元以上に上り、市場規模が1兆元以上の巨大市場が形成されるとみられる。貨物輸送用eVTOLは主に都市物流や農作業などの分野で応用が広がり、技術進歩とコスト低下が進むにつれ、今後も多くの応用場面が誕生する。

川下のeVTOL完成機の発展を受けて、川上の産業チェーンも発展の好機を迎えるとみられる。材料供給や航空電子機器、パワートレイン、スマートコックピットなどの分野で技術開発や量産、国産化の実現が進みつつある。eVTOL業界は川上・川下企業の緊密な協力を通じ、活力とイノベーションに富む生態系を構築し、アーバン・エア・モビリティー(都市航空交通)と新たな応用分野の大きな市場を共同で開拓し、未来の航空産業の構図を書き換えるとみられる。

新華社通信は「国産eVTOLの販売価格は充実したサプライチェーンとコストの優位性により、海外の同業他社よりも競争力がある」と指摘。「中核部品の国産化が進むにつれ、同等のスペックで比べると国産eVTOLの価格の魅力が増し、市場の潜在力は非常に大きい」と強調した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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