<中国は今!>学生や市民に占拠される香港、焦点は「香港当局が動くか、人民解放軍が動くか」

Record China    2014年10月1日(水) 6時50分

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30日、香港の民主派を支援する市民や学生は今月29日夜、香港島中心部の金鐘(アドミラルティ)や観光客が多い九龍地区の商業街・旺角(モンコック)でも座り込みを開始するなど占拠地区が拡大している。写真提供:Walter Kwok氏。

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2014年9月30日、香港の民主派を支援する市民や学生は今月29日夜、香港島中心部の金鐘(アドミラルティ)に加え、同じ香港島中心部の「香港そごう」などのデパートやホテルなどの商業施設やレストランが集中する銅羅湾(コーズウェイベイ)と、大陸からの観光客が多い九龍地区の商業街・旺角(モンコック)でも座り込みを開始するなど、香港でも占拠地区が拡大している。

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民主派団体は2017年の香港トップ・行政長官選挙で民主派候補を事実上排除する中国政府の決定の撤回と、現在の梁振英(リアン・ジェンイン)長官の辞任を求めており、今後、占拠地区がこれまでの3カ所から、他の地区にも拡大することも考えられる。

知人によると、占拠行動は極めて平和的に行われており、警察はまだ様子見で、強制排除の動きはみせていないという。

しかし、今回の占拠行動の激化により、香港株式市場ではハンセン指数が前週末比約2%下落したほか、占拠地区の商店やレストラン、小売店が次々と閉店に追い込まれるなど経済活動にも徐々に影響が出始めている。10月1日からは中国の国慶節(建国記念日)の大型連休が始まるが、今回の占拠行動が大陸からの観光客の動きにどれだけ影響を与えるかが注目されている。

今後の焦点は、香港当局がいつ学生らの排除に乗り出すかで、香港側の動きが鈍ければ、北京政府が香港に駐留する人民解放軍を出動させるとの観測も流れているだけに、予断は許さない。

◆筆者プロフィール:相馬勝

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。

著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)など多数。

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