米国のオープンAI、マイクロソフト、メタなどの主要人工知能（AI）企業は「蒸留」と呼ばれる技術を活用し、低コストで高性能なAIモデルの開発を進めています。この技術は、大規模言語モデル（教師モデル）が生成したデータを用いて、小規模な「生徒モデル」を訓練することで、大規模モデルの知識を効率的に移植するものです。

中国のディープシーク（DeepSeek）は蒸留技術を活用し、強力なAIモデルを開発しました。蒸留技術は以前から存在していましたが、最近の進展によってコスト効率の高いAIアプリを構築できるようになり、特にスタートアップ企業にとって有望な技術と考えられています。

ただし、蒸留モデルは能力が制限されるという欠点も存在し、特定の用途には優れるものの大規模モデルほど汎用性は高くありません。しかし、多くの企業はカスタマーサポートやモバイル向けAIのように、大規模モデルを必要としない用途が多いため、蒸留モデルで十分と考えられています。

このほか、米スタンフォード大学などの研究チームは最近、基盤となる大規模モデルを活用し、わずか数十ドルのコストで成熟した推論モデルを開発したと発表しました。オープンAIの「o1」や中国の「DeepSeek-R1」には及ばないものの、企業が低コストで自社向けのAIを開発できる可能性を示しており、AIの普及促進が期待されます。（提供/CRI）