女優に続いて人気歌手も急死、米イェール大教授が指摘した韓国社会の問題点とは?

Record Korea    2025年3月12日(水) 16時0分

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11日、韓国・国民日報によると、韓国の歌手フィソンの訃報を受け、米イェール大学のナ・ジュンホ教授が「韓国には薬物依存症を専門とする医療機関やリハビリ施設がかなり不足している」と指摘した。写真はソウル。

2025年3月11日、韓国・国民日報によると、韓国の人気歌手フィソンの訃報を受け、米イェール大学のナ・ジュンホ医学部教授が「韓国には薬物依存症を専門とする医療機関やリハビリ施設がかなり不足している」と指摘した。

ナ教授は10日、SNSに「フィソンの音楽が好きだった。彼の死因はまだ明らかになっていないが、薬物の過剰摂取は私の研究分野であるため、今回の件はとても胸が痛む。依存症リハビリ施設にもっと予算をつけるべきだと訴え続けてきたが、いまだ実現されていない」と投稿した。

また、翌11日には「中毒の終わりは死ではない。薬物依存やアルコール依存は確かに恐ろしい病だが、私は精神科の医師として働く中で、治療を受けて日常を取り戻し、幸せをつかむ患者を毎日目にしている。問題は、韓国には依存症の患者が適切な治療を受けられる医療機関やリハビリ施設があまりに少ないことだ。処罰だけの政策では、社会に浸透した薬物問題を解決できない」と強調した。

フィソンは長年、薬物問題に悩んでいたとされている。21年にはプロポフォールを常習的に使用した罪で懲役1年、執行猶予2年の判決を受けた。20年3月と4月にはエトミデートを使用し倒れた状態で発見された。

フィソンは今月10日午後6時29分ごろ、ソウル市内の自宅で死亡しているのが発見された。警察は他殺の可能性は低いとみて、遺書の有無と具体的な死亡経緯などを調査中。フィソンは15日にKCMとの合同コンサートの開催を控えていた。

ナ教授は、2月に女優キム・セロンの突然の訃報が伝えられた際も「過ちを犯したからといって、再起するチャンスも与えず排除する社会は健全ではない。失敗した人や落ちこぼれた人を捨てて何事もなく前へ進む韓国社会は、まるで巨大な『イカゲーム』(Netflixドラマ)のようだ」と投稿していた。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「われわれは最も清廉であるべき政治家には犯罪者を選ぶのに、芸能人に対してはあまりにも高いレベルを求める」「一番先にやるべきことはメディア改革だ」などの声が上がっている。

また「過剰に責め立てる魔女狩りは問題だけど、イメージでお金を稼ぐ有名人なら、少なくとも一般人よりは行動に気をつけないと」「フィソンは麻薬、セロンは飲酒運転。有名人としてかなり不適切な行動をしたのは確か」「昨日、水原市に住む4人家族が亡くなった。われわれが心配して関心を寄せるべき人は芸能人ではなく、生活苦に陥った末に死んだ庶民。権力も財力もない人が死ぬことにはメディアも医者も興味がない」「芸能界だけでなく、社会全体の自殺率が非常に高い。あらゆるところで限界を迎えている。互いに余裕がなく張りつめた状態で、『人を殺した』『人が死んだ』という刺激的なニュースばかり聞こえてくる。これはここ1~2年ではなく、長年にわたって積み重なったものが爆発したものだ」などの声も見られた。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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