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11日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の新たな人工知能(AI)モデル「Manus」について「次のDeepSeekになるのか」と題した記事を掲載した。
2025年3月11日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の新たな人工知能(AI)モデル「Manus」について「次のDeepSeekになるのか」と題した記事を掲載した。
記事はまずManusについて、複雑なタスクを自律的に実行できるAIエージェントであり、共同創始者である季逸超(ジー・イーチャオ)氏が今月5日にその機能を紹介する動画を公開したと紹介。デモ動画の中で季氏がレポート作成や財務データ分析、求職活動の履歴書選考、旅行計画など、多岐にわたるタスクを人間のようにこなす様子を紹介するとともに、OpenAIの最新AIエージェントよりも優れていることをアピールしたと伝えた。
そして、中国国内では今年1月に発表されて世界的な脚光を浴びたDeepSeekの成功に続く新たなブレークスルーとしてManusの登場が受け入れられ、大きな熱狂を呼んだと紹介。メディアやインフルエンサーなどが「一夜にして、Manusはシリコンバレーを不眠に陥らせ、ChatGPTを沈黙させ、DeepSeekを涙させた」といった誇張された表現で伝え、一部の証券会社はManusを「AIエージェントのChatGPTモーメント」とまで評されたほか、当初1日に500個の招待コードしか発行しなかった希少性から、中国国内で招待コードが一時10万元(約200万円)もの高値で取引されたとの報道まで出たとしている。
その上で「しかし、Manusへの熱狂は24時間で冷め、批判と議論が巻き起こった」と指摘。米Anthropicの「Claude」やアリババの「通義千問」など既存のAIモデルを組み合わせて構築されており、完全な独自技術ではないことが明らかになったためだとしたほか、実際にManusを試したユーザーからは、指示通りに動作しない、処理に時間がかかる、情報が不正確であるといった問題点が報告されたと伝えた。また、米国のIT系メディア・テッククランチの記者からは「近くのレストランにフライドチキンサンドイッチを注文し、日本への航空券を予約するようにManusに指示したが、システムがクラッシュして失敗に終わった」との報告も寄せられたと紹介した。
記事は、Manusの共同創業者である張濤(ジャン・タオ)氏が「Manusはまだ初期段階にあり、多くの機能がまだ完成していない」と謝罪し、テッククランチが「インフルエンサーなどによる誤った誇大宣伝や、招待コードの希少性による限定性が、Manusが異常な注目を集めた原因かもしれない」とまとめるとともに、実際のテスト結果から判断すると、Manusは技術的な公約を果たしておらず「技術革新よりも誇大宣伝が先行した事例」のようだと評したことを紹介。一連の騒動の背景にはDeepSeekの成功によって高まっていた中国のAI技術への期待と、ナショナリズム的な感情があり、過剰な期待と現実とのギャップが拡大したことで「オオカミ少年」のような騒動を引き起こすに至ったとの見方を伝えた。(編集・翻訳/川尻)
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