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インテルは現地時間12日、新たなCEOにリップブ・タン氏が18日付で就任すると発表した。タン氏のインテルCEO就任に伴い、米国の四大半導体企業の全員が華人になる。写真はエヌビディアの創業者黄仁勲氏。
インテルは現地時間12日、新たな最高経営責任者(CEO)にリップブ・タン氏が18日付で就任すると発表した。タン氏は1959年にマレーシアの華人(中国系)の家に生まれ、シンガポールで育った。中国メディアの極目新聞などは、米国の四大半導体企業の全員が華人(中国系)になるなどと報じた。
リップブ・タン(陳立武)氏は大学では物理学を専攻し、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)で核工学の理学修士号を取得し、サンフランシスコ大学でMBAを取得した。
タン氏はかつて、米国の大手電子設計技術会社であるケイデンス・デザイン・システムズのCEOを務めていた。その時期には、インテルの収益増に大いに貢献したとされる。タン氏は2022年9月にインテルの取締役会に加わった。しかし24年8月には全ての仕事を十分にこなすことができないとして、辞任した。今回、CEOとしてインテルに復帰したことで、インテルが大きな改革を行う可能性があるとの見方もある。
インテルは24年、188億ドル(2兆8000億円)の純損失を出した。純損失を出したのは1986年以来だった。タン氏は、これまでのインテルの計画を引き継ぎ、チップの受託製造部門の発展に注力するのか、それとも受託製造部門の事業を切り離していき、さらには他の部門を増やすのかが注目されている。
インテル及びエヌビディア(NVIDIA)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ブロードコムは、米国四大半導体企業と言われる場合がある。タン氏のインテルCEO就任にともない、この4社のCEO全員が華人になる。
エヌビディアは半導体の中でも特にGPUの設計に特化した会社だ。創業者のジェンスン・ファン(黄仁勲)氏が現在もCEOを務めている。ファン氏は1963年に台南市で生まれた。72年には両親によって米国に送られ、84年にオレゴン州立大学で電気工学の学士号を取得した。93年にエヌビディアを創設し、99年には米「フォーチュン」誌によって40歳以下で最も裕福な人物の一人に選ばれた。
AMDはマイクロプロセッサーやフラッシュメモリーなどを生産している。2014年には台湾系米国人のリサ・スー(蘇姿丰)氏が上級副社長兼総支配人として入社した。スー氏は14年に同社CEOに任命された。なお、スー氏の中国語名にある「丰」の字は、簡体字(中国大陸部で用いられる略字体)の「豊」の文字と同じ形だが、本来は別の文字だ。旧字体を用いている台湾などでは「蘇姿豐」と誤記されることがあるという。スー氏は1969年に台南で生まれ、3歳で米国に移民し、マサチューセッツ工科大学(MIT)の電気工学部を卒業した。
ブロードコムのタン・ホック・イング(陳福陽)氏はマレーシア生まれの華人だ。MITで機械工学の学士号と修士号を取得し、その後ハーバード大学で経営学の修士号を取得した。技術面と経営面に通じていることがタン氏の強みで、ゼネラルモーターズやペプシコなど歴史ある米国大手企業で上級財務幹部を務めたこともある。その後、半導体分野に進出し、企業買収で辣腕を振るうようになった。ブロードコムもそれまで経営した会社と合併する形で2016年に手に入れ、CEOに就任した
タン氏の企業買収の「大胆さ」を示す事例として知られているのがクアルコム買収計画だ。ブロードコムは17年にクアルコムを1300億ドル(約19兆円)で買収しようとしたが、クアルコム側に強い反対の声が生まれた。最終的には、トランプ大統領が国家安全保障を理由に認めなかったので、買収は成立しなかった。仮に成立していたら、半導体業界で最大の買収案件となっていたとされる。(翻訳・編集/如月隼人)
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