拡大
中国のEC市場は群雄割拠の様相を呈している。
ショッピングアプリTemuが世界の多数の地域でSHEINと共に圧倒的な存在感を誇っている。中国国内のEC市場では抖音(Douyin)が急成長を遂げ、群雄割拠の様相を呈している。一方、英国発のプラットフォームが中国市場からの撤退を発表した。ラグジュアリーEC市場の課題も明確になりつつある。
モバイルアプリの市場データを手がける「Sensor Tower」が発表した「2024年ECアプリ市場インサイト」によると、Temuの世界におけるダウンロード数は前年の倍近くに当たる69%の増加を記録し、24年末には5億5000万回を達成、累計ダウンロード数は9億回に迫る勢いだった。
この成長の速度は目を見張るものがあり、2位のSHEINと並び、他のアプリをはるかに引き離す結果となった。Temuは中国のEC大手「拼多多(Pinduoduo)」の国際版ブランドとして、特に中南米や東南アジア市場において急速にシェアを拡大している。日本市場でもその存在感を高めつつあり、2月24日時点でApp Storeでは「マツキヨココカラ」に次ぐ2位、Google Playでは堂々の1位に輝いている。
中国のEC市場がいよいよ「4強時代」に突入した。GMV(総商品取引高)で8兆元(約160兆円)を達成した淘天グループ(タオバオ、天猫)が不動のトップに君臨し、次いで拼多多(5兆2000億元)が2位、そしてその後ろに抖音が迫る形だ。京東(JDドットコム)は4位に後退した。
抖音の躍進の背景には、低価格戦略に加え、積極的なマーケティングや迅速な配送体制の整備、さらにはライブ配信や商品棚機能の強化など、多岐にわたる施策がある。中小ショップやクリエーターへの支援も含め、さまざまな取り組みがユーザーの購買行動に大きな影響を与えており、消費ニーズの変化にいち早く応えた点が評価されている。
中国のEC市場で激しい競争が繰り広げられる中、欧米発のプラットフォームの影響力はほとんど見られなくなった。アマゾンは19年に中国でのEC事業を大幅に縮小し、23年6月にはKindle事業を完全に停止した。さらにさかのぼれば、06年末にeBayが早くも中国市場から撤退している。eBayが中国のC2C市場で先行していた易趣(EachNet)を買収したのは02年のことだ。まさしく「黒船襲来」に相当する事件だったが、タオバオが競争を制したことは国内ブランドの「防衛戦」勝利と形容された。
そんな中国EC史の重要な転換点を経て、いまやTemuやSHEINなどの中国発プラットフォームが、低価格戦略と豊富な商品ラインナップで国際市場における影響力を拡大している。ただし、欧州連合(EU)の少額輸入品に対する関税免除を廃止する動きや、消費者保護法の強化を掲げる米国の政策が中国式ビジネスモデルに大きな影を落とす可能性もある。中国発アプリは各国市場の特性と規制動向を見極めながら、今後、柔軟にビジネス戦略を調整していく必要に迫られている。
欧米勢が中国のEC市場で存在感を示せない中、英国発の高級ファッションEC「NET-A-PORTER」がこのほど中国市場からの撤退を決定した。3月20日をもって中国国内のすべてのオンラインチャネルを閉鎖し、4月22日以降はアフターサービスも終了する。親会社のリシュモングループが24年10月にドイツの高級ファッションEC「Mytheresa」に同事業を売却することに合意した影響が大きそうだ。
中国市場におけるラグジュアリーECの現実は厳しい。偽造品のまん延や高額なマーケティングコストが事業展開の上で障壁となることもある。加えて主要なラグジュアリーブランドが自社のオンラインチャネルを強化し、直販体制を強化する中で、サードパーティーのプラットフォームは逆風にさらされている。「NET-A-PORTER」の24年第3四半期(7~9月)の売り上げは前年同期比15%減だった。(提供/邦人Navi)
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