トランプ政策で皮肉な現象、中国株が対米投資からの「避難港」に―中国メディア

Record China    2025年3月17日(月) 8時0分

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米国株はトランプ政権の経済政策や割高感が嫌気されている。引き上げた資金の「避難港」になっているのが中国株で、中国株は値上がりを続けている。写真はウォール街の様子、

S&P500指数は13日に直近の最高値から10%下落し、調整局面に入ったと見なされた。一方で、上海総合指数は14日の取引中に2カ月半ぶりに3400の大台を突破した。中国メディアの財聯社は14日、トランプ政権の追加関税政策がもたらす不確実性を嫌気した投資家が、中国市場を「避難港」と見なして資金を移動させているとする見方を紹介する記事を発表した。

米国のトランプ大統領は就任以来、輸入関税の全面引き上げなどの大規模な貿易戦争を仕掛けた。このため米国での景気後退への懸念が高まった。しかも、トランプ大統領は関税などについて、発言をしばしば変更している。長期投資家は一般的に、不確実性を嫌う。プリンシパル・ファイナンシャル・グループ(PFG)のニューヨーク最高経営責任者(CEO)のカマル・バティア氏は「たとえ大手の成熟した機関投資家であっても、3年の間に投資の論理が根本から変わることは望まない」と説明した。

投資家が米国株から中国株への「乗り換え」を進めている原因には、中国株の割安感もある。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)の今後12カ月についての見通しによると、ハンセン指数銘柄の現在の予想株価収益率(PER)は約7倍なのに対し、S&P500指数銘柄は約20倍で、中国企業を主力とするハンセン指数銘柄の方が相当に割安だ。

特に中国の人工知能(AI)のスタートアップ企業であるディープシークが1月29日の春節前にR1推論モデルを発表したことで、投資家は中国のテクノロジー株に大きな上昇余地を見出して株価は大幅に反発した。また、中国政府の財政刺激策が消費を引き続きけん引する見込みであることも、中国株の好感材料になっている。

一方で、米国では経済指標が次第に減速していることから、米国の成長率が他の主要先進国を長期間上回り続けられるかどうかについて疑問視されるようになった。また、米国株は高い評価を受けて、どんな小さな動きにも影響を受けやすい特徴がある。JPモルガン・チェースの融資・外国為替・新興市場分野の営業責任者であるセリーン・チェン氏は、具体的な数字は明かさなかったものの、過去数週間でドルから香港ドルへの両替規模が記録的なものになっていると説明した。このことは、資金が大量に香港市場に流入していることを示す。

多くの金融専門家は、中国株人気の高まりは「米国株を犠牲にしても」という側面があり、さらに韓国やインドなど好材料が見当たらない証券市場からも、資金が中国市場に向かっているとの見方を示したという。

アジア最大のヘッジファンドの一つである景林資産管理のパートナー兼ファンドマネージャーである高雲程氏は、2月初旬にディープシークの株価が高騰したことを受け、米国株を全て売却したと説明した。高氏は、一時期は世界の地政学的状況や産業構造の変化を念頭に、中国企業の競争力は大幅に過小評価されていたと指摘した。現在は再評価が徐々に進んでおり、最終的には世界の資金を再び呼び込む可能性のある段階へと移行しつつあるという。

中国株の上昇は主にハイテク株がけん引しており、ハンセンテクノロジー指数は先週、3年以上ぶりの高値を記録した。スイスに本社を置くプライベートバンクのピクテ銀行の香港駐在シニアファンドマネージャーであるアンディー・ウォン氏は、多くの新たな中国株強気派と同様に、ハイテク、防衛、消費関連セクターが有望との見方を示した。

トランプ大統領1月に就任し、ホワイトハウス入りして以来、香港ハンセン指数は累計で17%上昇し、ハンセンテクノロジー指数の上昇幅は約30%に達した。上海総合指数も約5%上昇した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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